今週の映画ランキング

『ウィキッド』『片思い世界』を超えた、スター俳優出演作とは? 映画興行収入ランキングトップ10(4月11~13日)

2025/04/16 19:00
サイゾーウーマン編集部

サイゾーオンラインより】

(写真ACより)

 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、4月11~13日)で、アニメーション作品『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)がV6を達成した。

目次

広瀬すず、杉咲花、清原果耶主演『片思い世界』、初登場3位も賛否
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章』初登場6位の好発進
『映画 ヒプノシスマイク』ヒットのウラに「劇場とファンの一体感」
全国映画動員ランキングトップ10(4月11~13日、興行通信社調べ)

『アマチュア』初登場2位で『ウィキッド』『片思い世界』がランクダウン

 4月14日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は、「映画ドラえもん」シリーズ45周年を記念した作品。上映開始から6週目の週末3日間も観客動員14万2000人、興行収入1億8100万円をあげ、累計では動員340万人、興収40億円を突破した。

 2位は米映画『アマチュア』(4月11日公開)が初登場。前週までは『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』と同日公開のミュージカル・ファンタジー映画『ウィキッド ふたりの魔女』が5週連続2位となっていたが、6週目にして3位へ。これにより、前回初登場3位だった『片思い世界』(4月4日公開)も今回4位へ後退した。

 『アマチュア』は、CIA本部でサイバー捜査官として働いていたデスクワーカーのチャーリー・ヘラー(ラミ・マレック)が、無差別テロ事件で妻を失い、自分なりのやり方でテロリストたちに復讐していく……というストーリー。全国358スクリーンで封切られ、初日から3日間で動員11万1000人、興収1億6400万円を記録した。

 鑑賞済みのネットユーザーからは「復讐劇の主人公が内気で一般人っぽいところが新鮮でよかった」「主人公のアマチュア感に一層ドキドキさせられる」「アクションとか派手なシーンを期待する人には物足りないかも」などとさまざまな感想が寄せられている。

 一方で、映画ライターのヒナタカ氏は同作について、「洋画が苦戦を強いられがちな昨今では大健闘」と語る。

「主演のラミ・マレックは2018年に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』で『第91回アカデミー賞』主演男優賞を受賞。同作は日本でも135.1億円という大記録を打ち立てましたから、スター俳優としての認知度もそれなりにあったのでしょう。くしくも同じ日に『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』『プロフェッショナル』というクライムアクション映画が公開されたこともX(Twitter)で“殺しのプロ/アマ同時公開”などと話題となっており、スリリングな映画を好む層から注目されていたといえそうです。ただし、4月18日からは『劇場版 名探偵コナン 隻眼の残像』が公開される影響で『アマチュア』を含めた映画の上映回数が激減しますし、その翌週末25日からは日本でも子どもに大人気のゲームを原作とした『マインクラフト ザ・ムービー』も公開されます。公式に『スパイ史上最も地味な主人公』とも銘打れた『アマチュア』は、これからの興行ではどうしても分が悪く思えてしまいますが、それでもアクション映画を求める観客からの需要があるのはうれしく思いますし、少しでも伸びてほしいですね」

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章』初登場6位の好発進

 そのほか、6位に『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』、10位に『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』も初登場(いずれも4月11日公開)。

 前者は「宇宙戦艦ヤマト」シリーズのアニメ『ヤマトよ永遠に REBEL3199』を全七章に分けて劇場上映するうちの第三章。2024年7月公開の『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略』は8位、同年11月公開の『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第二章 赤日の出撃』は10位スタートだったことを踏まえると、第三章は好発進といえそうだ。

 『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』は、レネー・ゼルウィガー主演のロマンティック・コメディ映画「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの第4作目で、9年ぶりの新作。シリーズ第3作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(2016年10月公開)は日本での最終興収が4億6900万円だったと伝えられているが、今作はその記録を超えられるか。

 一方、前回のランキングでは10位だった『教皇選挙』(3月20日公開)が今回は7位、6位だった『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(2月21日公開)は5位に上昇した。

『映画 ヒプノシスマイク』ヒットのウラに「劇場とファンの一体感」

 どちらもネット上でファンの盛り上がりが続く作品だが、後者のロングランヒットに関して、前出のヒナタカ氏は、以下のように解説する。

「85館での上映ながら、興行収入が12億円を超える快挙を達成しています。8週目にして最高順位となったのは、やはり観客の投票によってストーリーが変わる『インタラクティブ映画』であることに加えて、週替わりの入場者特典もありリピーターの熱がまったく冷めず、また絶賛の口コミ効果によって新規ファンも増えているということでしょう」

 なお、『ヒプノシスマイク』にはさまざまなラップチームが登場するが、たとえばナゴヤ・ディビジョンのファンが都内で集いやすいとされる上映館「T・ジョイ PRINCE 品川」はナゴヤのイメージカラー・紫のドリンクを大々的に宣伝し、4月14日には劇場公式X(旧Twitter)で「パープルフィズ 2000杯達成 当劇場限定オリジナルドリンク史上最速(37日間)」などと報告。ヒットのウラには、「劇場とファンの一体感」も関係しているようだ。

「劇場ごとの投票結果が可視化される『VOTING STATUS』が特設サイトで公開されており、チームの勝ち負けがデータとしてはっきりわかるんです。このことも、自分の投票がわずかでも『力』になってほしいというファンの“推し活”に火をつけたのでしょうし、まだ勝ち上がった姿を見たことがないチームのパフォーマンスを見るために映画館に通ったり、“遠征”して応援しているチームの地域にある劇場へ足を運ぶ人もいるようです。興収19億円を達成した『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA』(24年)はライブ映画でも劇場に多くのファンを呼べることを証明しましたし、23.5億円をマークしたアニメ作品『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』(22年)は来場者特典の効果もあり、公開11週目にして8位から4位にジャンプアップしたこともありました。これからも映画館は、ライブエンターテインメントを楽しむ場所の一つとして重宝されるのでしょう」

 ちなみに、ここしばらくは『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が1位を死守し、『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』も追い上げを見せているが、前述の通り、4月18日には『名探偵コナン』の劇場版シリーズ最新作『隻眼の残像』が上映を開始する。昨年公開の『100万ドルの五稜星』は最終興収158億円の大ヒットを叩き出しただけに、新作も初週からランキングに大きな影響をもらたすことになりそうだ。

全国映画動員ランキングトップ10(4月11~13日、興行通信社調べ)

1位:『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
2位:『アマチュア』(初)
3位:『ウィキッド ふたりの魔女』
4位:『片思い世界』
5位:『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
6位:『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』(初)
7位:『教皇選挙』
8位:『白雪姫』
9位:『ファーストキス 1ST KISS』
10位:『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(初)

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最終更新:2025/04/16 19:00