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『アンダーニンジャ』再浮上の理由はフジテレビ問題? 全国映画動員ランキングトップ10(2025年2月28日~3月2日)

2025/03/05 19:00
サイゾーウーマン編集部

サイゾーオンラインより】

(写真ACより)

 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、2月28日~3月2日)で、松たか子主演の実写映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開、以下『ファーストキス』)が1位に返り咲いた。

目次

中島健人主演『知らないカノジョ』初登場2位
『知らないカノジョ』好スタートで配給元にとっても「朗報」
『アンダーニンジャ』、9位から5位に再浮上で福田雄一監督も驚き
全国映画動員ランキングトップ10(2月28日~3月2日、興行通信社調べ)

中島健人主演『知らないカノジョ』が初登場2位! 『ファーストキス 1ST KISS』と「似てる」の声も……

 3月3日発表の全国週末興行成績ランキングで首位に立った『ファーストキス』は、ヒットメーカーの塚原あゆ子氏が監督を務め、坂元裕二氏が脚本を手がけたオリジナル・ラブストーリー。主人公の硯カンナ(松)がタイムトラベルする手段を見つけ、自分と出会う前の夫・駈(SixTONES・松村北斗)と再会。15年後には夫婦仲が悪化した状態で駈が事故死するため、カンナはその未来を変えるべく奔走する……という内容だ。

 上映開始から4週目を迎えたが、週末3日間で観客動員14万2000人、興行収入2億400万円を記録して3週間ぶりに1位を奪取。累計成績は動員117万人、興収16億円を突破している。

 2位につけたのは、初登場の『知らないカノジョ』(2月28日公開)。フランスとベルギーの合作映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(日本では2021年公開)を原作に、現代日本を舞台とした物語にリメイクされている。

 小説家を目指していた大学生のリク(中島健人)はミナミ(milet)と出会い、支えられてベストセラー作家となるが、妻となった彼女との結婚生活は疎かになっていた。そんなリクがある朝目覚めると、自身は文芸誌の編集部員、ミナミは自分と出会わずに人気歌手として活躍する世界になっていて困惑。リクは元の人生を取り戻そうとあがく中、大事なことを知っていく……というファンタジックラブストーリーだ。

 全国338スクリーンで封切られ、初日から3日間で動員11万9000人、興収1億5800万円をあげて2位発進を遂げた『知らないカノジョ』。同作を鑑賞したネットユーザーのレビューを見ると、「リメイクには不安もあったけどかなり良かった」「どんな結末を迎えるのかと夢中で見てた」との声や、「これをきっかけに原作映画も配信でチェックした」という書き込みも。

 ちなみに、シンガーソングライターとして活動してきたmiletは同映画が女優デビュー作となるが、「miletちゃんがかわいすぎたし演技もうまくてビックリした」「初演技とは思えないほど自然」といった高評価も目立つ。さらに、「カジさんに泣かされた」「カジさんが好きすぎる」など、桐谷健太が演じた“カジさん”ことリクの理解者・梶原恵介に好感を抱いた者も多いようだ。

 また、主人公がパラレルワールドで奔走する『知らないカノジョ』を見て、主人公がタイムトラベルする『ファーストキス』と「似てる」と感じるネットユーザーも少なくないようだが、「違う雰囲気があってどちらも素晴らしかった」「この2つの作品が同時に公開されていることは奇跡」「逆に両方見て違いを楽しむのが良いと思う」という意見も寄せられている。

『知らないカノジョ』好スタートは、配給元・ギャガにとっても「朗報」

 そんな『知らないカノジョ』について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように語る。

「設定が類似している『ファーストキス 1ST KISS』と観客を奪い合ってしまうのではとの懸念もある一方、『ストーリーに考察のしがいがある』という声もあり、リピーターも期待できますし、主演の中島、共演のmilet、友人役の桐谷に対する絶賛の声が多いので『ファーストキス』同様に口コミで盛り上がっていくかもしれません。なお、配給元のギャガは昨年頃から若者に訴求する日本のラブストーリー映画に着手しており、台湾映画のリメイク『言えない秘密』や同名漫画(小学館)の実写化『バジーノイズ』は評判もとても良かったんです。ただ、どちらもヒットしたとは言えませんし、オリジナル作品の『サイレントラブ』は批判寄りの感想も目立っていました。『知らないカノジョ』で好スタートを切れたことは、ギャガにとっても朗報、今後の事業の大きな足がかりになるのでは」

 なお、『ファーストキス』『知らないカノジョ』の成績には及ばなかったが、前週1位だったSnow Man・目黒蓮主演の『劇場版 トリリオンゲーム』(2月14日公開)は今回3位に。上映開始から3週目の週末を経て、累計成績は動員105万人、興収14億円を超えた。そして、今回のランキングではSTARTO ENTERTAINMENT所属の男性アイドルがメインで出演している3作品が1~3位を占めることとなった。

 また、4位には初登場の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2月28日公開)がランクイン。こちらは米歌手のボブ・ディランの若き日の姿を描いた伝記で、『君の名前で僕を呼んで』(日本では18年公開)や『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23年)などで知られるティモシー・シャラメがボブ・ディランを演じている。

『アンダーニンジャ』、9位から5位に再浮上で福田雄一監督も「異常事態の原因を解明して」と驚き

 その一方で、前週9位だった『アンダーニンジャ』(1月24日公開)が今回、上映開始から6週目にして5位にジャンプアップ。累計での動員は82万人、興収は11億円を超えたと伝えられている。

 漫画家・花沢健吾氏が「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同題作品を実写化した『アンダーニンジャ』は、監督・脚本を福田雄一氏が手がけ、主演に山崎賢人、共演に浜辺美波、間宮祥太朗、白石麻衣、岡山天音、山本千尋、宮世琉弥、坂口涼太郎、長谷川忍(シソンヌ)、平田満、木南晴夏、ムロツヨシ、佐藤二朗らを起用。

 公開当初からネット上では「面白かった」という声がある一方で、「福田監督作品特有のノリが苦手な人は無理だと思う」「しつこいギャグにウンザリ」「やっぱり原作のほうが良い」といったコメントが散見されていただけに、ここに来ての大幅な順位上昇は驚きだ。

 今回ランクアップした理由について、前出のヒナタカ氏は以下のように分析する。

「キャストも豪華ですし、2月14日に公開予定だった『ババンババンバンバンパイア』が公開延期となったタイミングで、コメディ映画を観たい若者やファミリー層の需要にマッチしていたのかもしれません」

 なお、福田監督本人も3日、自身のXで「誰か、この異常事態の原因を解明してください!」とつぶやくほど、再浮上は予想外かつ異例のことだったようだが……。

「同ポストに多数寄せられていたのが、不適切接待疑惑問題によりほとんどのスポンサーが撤退して企業CMが流せないフジテレビにおいて、(フジテレビが制作に参加している同作の)長尺版の予告編がたくさん流れていたからではないか』という推測でした。CMそのものは以前から流れていたのですが、TikTokでCreepy Nutsの主題歌がバズったタイミングでの相乗効果もあったはず。同時に、今もまだテレビが強い訴求力を持っているということがわかる結果となったのでは。先週末放送の『サザエさん』の合間にも『アンダーニンジャ』の本編映像が流れていたという報告が相次いでいましたし、さらに動員を伸ばす可能性がありそうです」

 そのほか、上映開始から8週目の『366日』(赤楚衛二主演、1月10日公開)は6位、11週目のアニメーション映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(24年12月20日公開)も10位とまだまだ健闘中。一方、3月7日からは シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデがダブル主演する米ミュージカル・ファンタジー映画『ウィキッド ふたりの魔女』や、笑福亭鶴瓶が主演を務め、その青年時代を重岡大毅(WEST.)が演じることでも注目の『35年目のラブレター』なども上映を開始するが、ランキングにどのような影響をもたらすだろうか。

全国映画動員ランキングトップ10(2月28~3月2日、興行通信社調べ)

1位:『ファーストキス 1ST KISS』
2位:『知らないカノジョ』
3位:『劇場版 トリリオンゲーム』
4位:『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』
5位:『アンダーニンジャ』
6位:『366日』
7位:『キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド』
8位:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』
9位:『野生の島のロズ』
10位:『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』



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最終更新:2025/03/05 19:00
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