【無印良品カレー】賛否呼ぶ「牛すじカレー」、食べてみた! リュウジ酷評の理由に納得のワケ

2024/11/12 14:00
阿左美賢治(ライター)
無印良品の看板(写真:サイゾーウーマン)

 10月24日、料理研究家のリュウジ氏がSNSのX上で「無印良品」の「素材を生かした 牛すじカレー」について“うま味が少ないカレー”と評した投稿がネット上で賛否を集めることに。実際のところはおいしいのか、マズいのか? グルメライターが店舗を訪れ購入し、その味を確かめてみました。

目次

【無印良品】料理研究家・リュウジ氏がカレーを酷評で波紋
「素材を生かした 牛すじカレー」「素材を生かした キーマカレー」リュウジ氏の評価は?
「素材を生かした 牛すじカレー」「素材を生かした キーマカレー」実食
「素材を生かした 牛すじカレー」は「味の素」でおいしくなる

【無印良品】料理研究家・リュウジ氏がカレーを酷評で波紋

無印良品(写真:サイゾーウーマン)

 株式会社良品計画が運営する衣服や食品、生活雑貨などの販売チェーン「無印良品」。ノーブランドの商品をリーズナブルな価格で販売する同チェーンは現在、国内で562店舗(2023年8月末時点、公式サイトによる)を展開。

 10月11日に発表された2024年8月期決算では、営業利益が前年比69.4%増となる561億3500万円となるなど、好調を維持しています。

 そんな中、料理研究家であるリュウジ氏が「無印良品」の商品に対して行った発言が賛否を集めることとなりました。

 10月24日、同氏はSNSのX上でユーザーが行った「無印良品」の「素材を生かした 牛すじカレー」(290円、税込み/以下同)を絶賛する投稿を引用リツイートし、「これ、俺が美味しくないと酷評したカレーだ うま味が少ないカレーなので普通のカレーを想像すると美味しくないと思います 逆にうま味少なめなカレーが好みの方は合うと思うので、僕のレシピがクドくて合わない人は是非試してほしい!!」と投稿。

 別の投稿では「ちなみに以前酷評してしまった動画はこちらです」と、リュウジ氏のYouTube公式チャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」で10月12日に公開された「無印のレトルトカレーを忖度なしでレビューしたら忖度なさ過ぎて放送事故になりました。」というタイトルの動画のリンクを紹介。

 「個人の好みですとは言ってますが自分の味覚が全て正しいとは思ってないので是非皆様ジャッジお願いしたいです」と呼びかけることとなりました。

 この投稿に対し、X上では「確かに無印のカレーっておいしくない」「リュウジさんのおすすめのレトルトカレーが知りたい」など、リュウジ氏に好意的な声がある一方で、「おいしいと言ってる人に対して、わざわざおいしくないっていうのはどうなんだろう」「嫌味っぽい」と同氏を非難する声も少なからずあり、賛否が分かれることに。いまだ波紋を広げています。

【無印良品】「素材を生かした 牛すじカレー」「素材を生かした キーマカレー」リュウジ氏の評価は?

「素材を生かした キーマカレー」(左)「素材を生かした 牛すじカレー」(右)(写真:サイゾーウーマン)

 なお、紹介していた件の動画内でリュウジ氏は、「素材を生かした 牛すじカレー」について、このようにコメントしています。

・具材(牛すじ)は結構細かくなってる
・これはおいしくない、素材を生かしすぎだね
・欧風カレーは、もう少し味があったほうが僕はいいと思います

 一方で、同商品の次にレビューを行った「素材を生かした キーマカレー」(290円)は絶賛。動画の最後に行われたランキング発表でも、見事1位に輝いていました。

・食べた瞬間に「うんまい!」
・スパイス感もすごくあるし、市販のルー感はまったくないですね

 今回はその2つのカレーとともに、筆者の中におけるレトルトカレーの評価軸として、そのコスパの良さから家に常備しているイオン系プライベートブランド「トップバリュ」の「ビーフカレー辛口」(95円)を加え、これら3種類を比較してみます。

トップバリュ「ビーフカレー辛口」(写真:サイゾーウーマン)

【無印良品】「素材を生かした 牛すじカレー」「素材を生かした キーマカレー」実食

 まずは、3種類のカレーを湯煎で温め、カレー単体で実食をしてみます。

無印良品「素材を生かした 牛すじカレー」

「素材を生かした 牛すじカレー」(写真:サイゾーウーマン)
「素材を生かした 牛すじカレー」具(写真:サイゾーウーマン)

 「素材を生かした 牛すじカレー」はパッケージに「じっくり煮込んだ牛すじとソテーオニオンの旨味が特長です」と書かれています。

 まず、そのまま食べてみると、その玉ねぎの旨味とコク以外の味をあまり感じず、かなり物足りないルー。薄めたオニオンスープのような味わいに「リュウジ氏の言う通り、もう少し味があったほうがいいな……」と深く納得させられました。牛すじ肉の煮込み具合などはかなりいい感じであることから、非常にもったいなく感じる一品です。

「素材を生かした 牛すじカレー」とライス(写真:サイゾーウーマン)
「素材を生かした 牛すじカレー」とライス(写真:サイゾーウーマン)

 ライスと合わせると、よりその味わいのなさが際立ってしまう結果となり、単体で食べた時よりも厳しい評価となってしまいました。

無印良品「素材を生かした キーマカレー」

「素材を生かした キーマカレー」(写真:サイゾーウーマン)
「素材を生かした キーマカレー」と具(写真:サイゾーウーマン)

 「素材を生かした キーマカレー」は、比較的水分が多いタイプのキーマカレー。

 リュウジ氏が絶賛していたためにかなりハードルが上がった状態でまずはそのまま食べましたが、生姜をはじめとした各種スパイスのインパクトこそあるものの、やはりうま味という点では物足りなく感じてしまう一品でした。個人的には嫌いではなかったものの、後味にスパイスの苦さが残るのも、人を選ぶかもしれません。

「素材を生かした キーマカレー」とライス(写真:サイゾーウーマン)
「素材を生かした キーマカレー」とライス(写真:サイゾーウーマン)

 ライスと合わせると、うま味の少なさが気にならなくなり、スパイスのおいしさが引き立つというシナジーが見られます。ちょっと高いカレー屋さんで食べる味わいに近いものを感じました。

 また、単体で食べた際には気になった後味のほろ苦さが、意外なほどにライスと好相性で、本格的な味わいと言えるものに変化したのも、個人的には大いに評価をしたい部分です。

トップバリュ「ビーフカレー辛口」

トップバリュ「ビーフカレー辛口」(写真:サイゾーウーマン)
トップバリュ「ビーフカレー辛口」具(写真:サイゾーウーマン)

 「ビーフカレー辛口」は、上記2つの「無印良品」が販売するカレーと異なり、かなりうま味成分を強く感じる味わい。

 ビーフカレーと言いつつも、かなり小さい牛肉しか入っていない点は、やはり安いカレーの限界を感じますが、食べ進めるごとに胡椒や唐辛子の辛みが追ってくるのも筆者的にはかなり評価の高い部分です。食べ慣れているという点を差し引いても、単品ではこれが抜きんでているように感じました。

トップバリュ「ビーフカレー辛口」とライス(写真:サイゾーウーマン)
トップバリュ「ビーフカレー辛口」とライス(写真:サイゾーウーマン)

 ライスと食べると、米の味を強引に塗りつぶしていくような暴力的とも言えるおいしさ。スパイスの妙や、計算された味を楽しむという部分ではやはり本格的なカレーには一歩劣る部分がありますが、“お米においしい味を絡ませて食べる”という視点では、値段を考えると驚異的なコスパの良さがあると言えるでしょう。

 以上、単品でのおいしさのランキングは「ビーフカレー辛口」、「素材を生かした キーマカレー」、「素材を生かした 牛すじカレー」というのが筆者の中での評価となります。

 ライスと合わせた際の味わいとしては、「ビーフカレー辛口」と「素材を生かした キーマカレー」が方向性の違う魅力ながらもほぼ互角、「素材を生かした 牛すじカレー」はこれらにかなり劣る、という評価になりました。

【無印良品】「素材を生かした 牛すじカレー」は「味の素」でおいしくなる

 正直、「ビーフカレー辛口」の3倍違い値段である「無印良品」のカレーが期待外れであったことに、かなり落胆を覚えていました。

 単体でも、ご飯に合わせても、まさにリュウジ氏の言う“うま味が少ないカレー”であり、筆者の好みにも合わなかった「素材を生かした 牛すじカレー」。

 「この商品を何とかしておいしく食べたい!」と思った筆者は、リュウジ氏の投稿についていたリプライの一つに「じゃあうま味を足したらいいんじゃない?」という内容のものがあるのを見つけ、さっそく「味の素」でうま味を足してみることにしました。

「素材を生かした 牛すじカレー」に、「味の素」を入れてみると……?(写真:サイゾーウーマン)

 すると、いわゆる黒カレー系のような味わいに変化し、きちんとおいしく食べることに成功。とはいえ、わざわさこんな手間をかけるぐらいなら、最初からおいしく食べられるカレーを買えばいいよね、とも思ってしまいました。

 もちろん、筆者の舌が、安価なカレーのうま味成分が強い味わいに慣れているから、今回のような評価となった部分もあるでしょう。

 ただ、たまに本格的な味わいのカレーを食べたくなった際には、「素材を生かした キーマカレー」を購入することもあるかもしれません。リュウジ氏も述べている通り、この記事で「無印良品」のカレーに興味を持った方は、ぜひ自分の舌でその味をジャッジしてみてください。

阿左美賢治(ライター)

阿左美賢治(ライター)

食品スーパー「ヤオコー」を愛する埼玉在住グルメライター。中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢でもある。コンビニやチェーン店のグルメにも詳しい。趣味はスイーツ作り。

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最終更新:2024/11/15 11:07
ファンは「無印」という空気感を食べて満足してんのよ