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SMILE-UP.、“NHKスクープの証言者”提訴へ……被害者へ「お早めにご連絡」呼びかけ物議

2024/11/03 08:00
サイゾーウーマン編集部
SMILE-UP.代表取締役社長の東山紀之氏と代表取締役の藤島ジュリー景子氏(C)サイゾーウーマン

 創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題を受け、昨年10月17日付で被害者の補償業務を担う会社となった旧ジャニーズ事務所(現「SMILE-UP.」)。今年10月31日、同社は公式サイトで「現時点までの被害補償の状況」(原文ママ、以下同)を公表したが、案内文の一部表現が物議を醸している。

目次

SMILE-UP.、補償本部長を解任
SMILE-UP.、“NHKスクープの証言者”を提訴へ
SMILE-UP.、被害者へ「お早めにご連絡」呼びかけ疑問の声

SMILE-UP.、『Nスペ』ジャニー氏特集で非難続出の補償本部長を解任

 旧ジャニーズは、昨年9月7日に会見を開き、ジャニー氏の性加害疑惑を事実と認定。同社は10月17日付でSMILE-UP.に名称変更し、被害者への補償と救済を専門に行う会社となった。今年4月10日には、旧ジャニーズに所属していたタレントの受け皿となるマネジメント会社・STARTO ENTERTAINMENTが本格始動。その一方で、SMILE-UP.は社長・東山紀之氏(23年末に芸能界を引退)が中心となり、引き続き被害者救済に取り組んでいる。

 そして事務所の名称変更から1年後の10月20日、NHKは『NHKスペシャル ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』(以下、『Nスペ』)と題した特集番組を放送。

 視聴者の間では、番組に声で登場したSMILE-UP.の補償本部・本部長への非難の声が続出した。

「番組の中で、事務所初の所属グループ『ジャニーズ』のメンバーだった中谷良氏(21年に死去)の姉・幸子さんが、SMILE-UP.の『補償本部・本部長』と電話で会話する場面がありました。中谷氏は、かつて著書『ジャニーズの逆襲』(データハウス社、1989年出版)内で、ジャニー氏による性加害を告発した人物。姉の幸子さんが事務所側に謝罪を求めるべく、SMILE-UP.へ補償の申告を行ったところ、最初は『ジャニーが悪いですので、受付させていただきます』と、返答したそうなんです」(男性アイドルに詳しい記者)

 しかしその後、「実は、会社の中でジャニーズを反抗するような本を出している人に『そんなお金なんか出せるか』『金取る気か』っていう話になった」と、SMILE-UP.側の対応が一変したという。

 番組では、幸子さんが補償本部・本部長とやりとりするシーンもオンエア。電話口の補償本部長は「誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今、わからなくて。その本人たちが死んじゃってるんで」「(幸子さんが)おっしゃっていることはわかるけど、本を書かれて(会社側が)痛めつけられたのは間違いない。会社としては、すごくつらい目にあったのは間違いない」などと主張していた。

 幸子さんがSMILE-UP.の社長である東山氏が良氏のお墓まで来てお詫びしてくれるのかどうかを尋ねると、「東山は別に、加害者じゃないですからね。心の底からお詫びができないので、今の話を聞いてると」「ちょっと僕は納得いってないですね」などと突き放すような言葉をぶつけていた。

 この放送を受け、視聴者からは「『心の底からお詫びできません』って、被害者の家族に直接言うのはヤバすぎ。引いた」「これでは、被害者が被害を訴える前に心を折られると思う」といった否定的な意見が続出。

 すると、SMILE-UP.は25日に公式サイトを更新し、『Nスペ』の内容に関して、「被害にあわれた方のご関係者から、亡くなったご本人への謝罪を求めるお話があり、弊社社長東山紀之にて本年9月にご遺族にお会いして謝罪しております」「また、今回の報道後にも、弊社社長東山紀之にて、ご関係者様に、改めて謝罪をしております」と報告した。

「反響の大きさを重く受け止めたのか、SMILE-UP.は『補償業務体制の一部を変更すべく、当該補償本部長の任を解くと共に新たに補償本部長を任命し、補償本部における業務の実施体制を見直す』ことになったとも発表しました。なお、ジャニー氏からの性被害を訴えている元男闘呼組メンバーの土田一徳氏は、自身のX(旧Twitter)で問題の本部長に言及。29日付のポストで『お辞めになった本部長さんはとても良い方でした。私と一緒で気管挿管後の後遺症で話し方が窮屈でした。それも相まっての感じかな』と、擁護するような言葉をつづっています(同)

SMILE-UP.、“NHKスクープの証言者”を「補償業務が存在しない」と提訴へ

 そんなSMILE-UP.をめぐっては、同社が“NHKスクープの証言者”を提訴したと、10月31日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報道。

 NHKは昨年10月9日放送の『ニュース7』で、ジャニー氏から複数回にわたり性被害を受けたとされる男性X氏の証言をスクープ。この男性は、高校時代に同局の音楽番組『ザ少年倶楽部』に出演するためオーディションに参加した際、ジャニー氏に声をかけられ、NHK放送センター内のトイレで被害に遭った……などと語っていたという。

「X氏は、放送センターの男性トイレの個室で計5回、被害を受けたと話していたそうです。そこで、SMILE-UP.の補償担当者や顧問弁護士が2度面談するも、X氏はトイレの位置や間取り、放送センターへの入館手続きについて説明ができなかったとか。オーディションに応募した経緯にも疑問点があり、双方の主張は平行線を辿ることに。『文春』によると、SMILE-UP.は10月11日付で『補償業務が存在しないことを確認する訴訟』を起こしたといい、今後はX氏の被害事実をめぐって争う姿勢のようです」(同)

SMILE-UP.、被害者へ「お早めにご連絡」呼びかけ「何様?」と疑問の声

 そんな中、SMILE-UP.は「文春」報道と同日に「現時点までの被害補償の状況(2024/10/31)とお願い」というお知らせを公式サイトにアップ。被害補償の受付開始後、同日時点までに合計1002名から補償申告があり、「そのうち236名の方は、複数回のご連絡を試みてもご返信がない状態です」とのこと。それ以外の766名のうち、752名(約98%)については被害者救済委員会から補償内容を通知(538名)、またはSMILE-UP.より「補償を行わない」旨を連絡(214名)したと詳細を公表した。

 その上で、同社は「ご申告がお済みでない方」に対して、「もし、被害にあわれた方で被害者救済委員会へのご申告がお済みでない方がおられましたら、以下のフォームより、お早めにご連絡をいただけますようお願い申し上げます」と呼びかけた。

 また、現時点で連絡が取れなくなった申告者には「ご返信をいただけない状況が長期間にわたり継続されるような場合には、やむなくお手続を終了とせざるを得ないこともあります」と通達。最後には「弊社は、引き続き、被害にあわれた方々のお気持ちに寄り添い、迅速かつ適切な被害救済に弊社一丸となって全力を尽くして取り組んでまいります」と表明した。

 しかし、一部のXユーザーは、前述の「お早めに」の一言に疑問を感じた様子。「『お早めに』って何様なの? 補償本部長の対応があまりにもひどかったくせに……」「多少なりとも性被害者側のことを学んでいたら、『お早めに』できるようなものではないとわかるはず。被害者の気持ちに寄り添ってない」「被害に遭われた方への補償をする会社が、一方的に『お早めに』と期限を決めるやり方って、考えられないと思う」「性加害問題にとにかく一区切りつけたいように見える」と物議を醸している。

 被害者の精神的ダメージを想像すれば、申告は容易にできることではないだろう。今も悩み、苦しんでいる人々のために、SMILE-UP.には最善のケアをしていってほしいものだ。



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最終更新:2024/11/03 08:00
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