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焼肉食べ放題チェーン【すたみな太郎】、牛タンの味めぐり賛否! 実食したら「肩透かし」だった

2024/07/25 15:15
阿左美賢治(ライター)
(写真:サイゾーウーマン)

 そのリーズナブルさから人気を集める食べ放題チェーン「すたみな太郎」。同チェーンが現在行っているフェア「平日ランチも牛タン食べ放題」の実力を確かめるべく、グルメライターが店舗を訪れ実食してきました。

目次

【すたみな太郎】牛タン食べ放題フェア、タンの質が賛否両論!
空前絶後のコスパ!
行ってみた! 開店30分で牛タン品切れ!
牛タン実食! 味は「豚バラ肉」?
【すたみな太郎】牛タンおすすめタレアレンジ
【すたみな太郎】牛タンおすすめアレンジ
【すたみな太郎】牛タンらしさがかなり希薄な肉だった

【すたみな太郎】牛タン食べ放題フェア、タンの質が賛否両論!

すたみな太郎の店舗外観(写真:サイゾーウーマン)

 たびたび値上げを行いながらも、現在も焼肉や寿司をはじめとしたさまざまなメニューを楽しめるお得感から、ファミリー層を中心に人気を集める食べ放題チェーン「すたみな太郎」。

 筆者も“食べ放題のアミューズメントパーク”を自称する同チェーンをこよなく愛すファンの一人ですが、そんな「すたみな太郎」で現在行われている「平日ランチも牛タン食べ放題」というフェアが注目を集めています。

 同チェーンでは、6月14日から「『すたみな太郎にあったらいいなメニュー』10品ドーーンと食べ放題!!」というフェアを実施。こちらは、昨年の11月に行われた利用者へのアンケート結果をもとに、人気を集めた上位10品を提供するというものとなっています。

「『すたみな太郎にあったらいいなメニュー』10品ドーーンと食べ放題!!」のランキングを発表する貼り紙(写真:サイゾーウーマン)

 このアンケートで1位に輝いたのが「牛タン」で、平日のディナー、及び土日祝のメニューとして提供されてきました。そして今度は、“夏休みスペシャル企画”と題して、期間限定(今月の16日〜8月9日まで)で平日ランチでも「牛タン」の提供をスタートしています。

 このフェアについてネットの声をリサーチしてみると、「牛タンは十分ウマい!」「思ってたよりよかった」と評価する声もある一方で、「完全に期待外れ」「ビックリするぐらいおいしくなかった」など、タンの質に落胆したという声も少なからず見られ、賛否両論状態であることが発覚。

 「牛タンでそんなおいしくないことってある……?」と新たな疑問を抱きながら、店舗へと向かうことになりました。

【すたみな太郎】空前絶後のコスパ!

料金表(写真:サイゾーウーマン)

 筆者が学生であった2000年代前半には、ランチは980円(税込み、以下同)と、焼肉や寿司が食べ放題とは思えない値段でランチ営業を行っていた「すたみな太郎」ですが、2010年代後半からたびたび行われた値上げにより、現在ではそのほぼ2倍となる1958円となっています。

 とはいえ、同業の食べ放題チェーンの多くも値上げを行っている現状では、それでも十分にリーズナブルな値段であることは確か。しかも、今回のフェア中であればこの価格で牛タンまで食べ放題となると、空前絶後のコスパと言っても過言ではないでしょう。

【すたみな太郎】行ってみた! 開店30分で牛タン品切れ!

 店舗に昼12時ごろ到着すると、客入りは半分程度といったところ。早速「牛タン」を食べようとお肉のコーナーに向かいましたが、なんと開店30分というタイミングにもかかわらず、品切れになっていました。

 「ネットだと結構叩かれてたけど、やっぱり人気があるんだな。なんてったって牛タンだし」と、安心感を覚えながら、筆者の中で“すたみな太郎2大鉄板焼肉”である「牛サガリ」と「牛ホルモン(旨辛)」を焼きながら待つことに。

(写真:サイゾーウーマン)
(写真:サイゾーウーマン)

 筆者的には、「すたみな太郎」のお肉のなかで、この「牛サガリ」と「牛ホルモン(旨辛)」が群を抜いておいしいと思っています。

【すたみな太郎】牛タン実食! 味は「豚バラ肉」?

 その後、店員さんがお肉のコーナーに「牛タン」を補充しているのを確認。コーナーのプレートには「タン先の弾力ある歯ごたえを当店オリジナルの旨味加工で食べやすく仕上げました」と説明があり、比較的硬い部位であるタン先に、何らかの加工がされたもののようです。

お肉コーナーに並んでいた「牛タン」(写真:サイゾーウーマン)

 皿に取って観察してみると、おなじみの丸みを帯びたフォルムこそ牛タンらしさがあるものの、かなり薄めのスライスとなっており、バラ肉のように赤身と脂身がはっきりと層に分かれた肉質は、ちょっと牛タンのイメージから遠いビジュアル。

皿に並べた「牛タン」。一般的な牛タンとは違うビジュアルです(写真:サイゾーウーマン)

 ロースター一面に敷いて写真を撮ろうとしたところ、カメラを向けた時にはもうかなり火が通った状態となり、焦ってしまいました。

 また、薄いことからロースターの網にくっつきやすくなっているため、筆者のようにいっぺんにロースターに入れず、1~2枚を注意しながら焼くのが重要かもしれません。

かなり薄いため、ロースター一面に並べて写真を撮ろうとした時にはすでに火がほぼ通っていました(写真:サイゾーウーマン)
1~2枚を焦げ付かないように注意深く焼くのがオススメのスタイル(写真:サイゾーウーマン)

 火が通った「牛タン」を口に入れると、赤身の部分はまるでベーコンやハムなどの加工肉に近い風味で、かなり硬め。脂身はジューシーですが、見た目のイメージ通りよく焼いた豚バラ肉、あるいは上記の通りベーコンのような味わいでした。

 純粋なおいしさとしては、筆者的に十分アリなレベルではありますが、一般的な牛タンを食べるつもりでこれを提供されると、残念な気持ちになってしまう人がいるのもうなずけます。

焼きあがった「牛タン」は、加工肉っぽさの強い独特な味わいでした(写真:サイゾーウーマン)

【すたみな太郎】牛タンは素材としてオリジナルにアレンジ

 筆者にとってもこの「牛タン」は当初思い描いていたものと違った部分は否めませんが、ある意味で実に“「すたみな太郎」らしい”、と思ってしまったのも事実。

 若干失礼な言い方になってしまいますが、同チェーンの食べ物はおいしさで言えば十分満足こそできるものの、「絶品」というレベルでないものが多くなっています。

 しかし、それをユーザーが自分好みにアレンジして食べることで楽しむことで得られる満足感こそが、“食べ放題のアミューズメントパーク”である「すたみな太郎」の真髄であると筆者は思っているのです。

 今回の「牛タン」も、同じように自分でおいしさを掴み取るべき素材だと言えるのではないか――。そんな思いが湧いてきた筆者は、オリジナルの味付けやメニューを作ることで、存分に「牛タン」のポテンシャルを引き出すチャレンジをすることにしました。

【すたみな太郎】牛タンおすすめタレアレンジ

 さまざまな組み合わせを試しましたが、相性がよかったものを3つ紹介します。

 卓上調味料は辛口と甘口の焼肉のたれ(甘口はお肉コーナーにあるものを必要に応じてテーブルに持ってくるスタイルです)、醤油、あらびきブラックペッパー、七味唐辛子、焼き塩の6種類。

(写真:サイゾーウーマン)

お肉コーナーに置いてある調味料は塩だれ、味噌だれ、レモン汁、ぽん酢、辛みそ、おろしにんにく、大根おろしの7種類でした

(写真:サイゾーウーマン) 

焼肉のたれ(甘口)+あらびきブラックペッパー 

(写真:サイゾーウーマン)

 加工肉っぽいテイストの牛タンを、こってりとパンチの効いた甘口の焼肉のたれと、ブラックペッパーでパワフルに上書きする食べ方です。牛タンを食べている! という感じは皆無になりますが、甘めの味付けをしたバラ肉を食べているような気分になり、純粋なおいしさとしてはかなりレベルアップします。

塩だれ+ねぎ

(写真:サイゾーウーマン)

 うどん・ラーメンコーナーにあったねぎを、塩だれと合わせる牛タンの鉄板スタイル。以前流行ったレバ刺し風こんにゃくがごま油と塩の味でレバ刺しっぽさを演出したように、こちらもお馴染みの味付けで食べることで、「これは牛タンだ!」と脳が認識してくれる効果があり、月並みながらかなりアリでした

レモン汁+おろしにんにく+大根おろし+焼き塩

(写真:サイゾーウーマン)

 こちらも鉄板のレモン汁+塩を試そうとしたのですが、レモン汁がかなりピールの苦みがあるものでアレンジを加えることに。おろしにんにくと大根おろしを足して“のっけダレ”にしてみたところ、大根の爽やかさとニンニクのパンチ、レモン汁の酸味と苦みが合わさった大人の味わいになり大満足。3つの中では最もおススメです!

【すたみな太郎】牛タンおすすめアレンジ

 続けて、他の食材と合わせたアレンジメニューも作成。タレの組み合わせに注力しすぎて、残り時間が少なくなってしまったため、多くを試すことが出来ませんでしたが、その中でおいしかった2品を紹介します。

牛タン丼

(写真:サイゾーウーマン)

 上記の「焼肉のたれ(甘口)+あらびきブラックペッパー」を食べていた時、ご飯に間違いなく合う! と確信したため丼を作成。よりご飯が進む味にするため、タレにはブラックペッパーだけではなくニンニクも足し、薬味にネギを乗せたところ、かなりクオリティの高い丼を作ることができました。

牛タンマヨうどん

(写真:サイゾーウーマン)

「すたみな太郎」における筆者お気に入りのアレンジが、つゆに惣菜コーナーにあるマヨネーズを入れたうどん。このメニューに牛たんを乗せてみたところ、加工肉のような風味がつゆにマッチし、ジャンクフード感がマシマシに。まさに“食べ放題のアミューズメントパーク”らしさ全開の一品です。

【すたみな太郎】牛タンらしさがかなり希薄

 高級食材の牛タンをリーズナブルに心ゆくまで食す、という当初の目的とは趣がかなり変わってしまったものの、「すたみな太郎」ならではの楽しさを堪能できた今回の取材。

 率直に言えば、牛タンとしてのおいしさを求めて行くと、肩透かしを食ってしまう可能性は大きいでしょう。しかし、よく言えば独特、悪く言えば牛タンらしさがかなり希薄なこのメニューを自分なりにアレンジし、そのおいしさを“発見”する、そんな楽しさがあることは確かです。

 興味を持たれた読者諸氏におきましては、ぜひこの記事を参考に、自分なりのオリジナルな牛タンの魅力を見つけてみてください。

阿左美賢治(ライター)

阿左美賢治(ライター)

中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢ライター。焦って低糖質ダイエットを始め、150kgまで減量に成功したものの、近頃は再びリバウンド気味となっている。自宅で低糖質スイーツを作るのが趣味だが、コンビニやスーパーで見かける糖質たっぷりスイーツの誘惑に負けることも多々。

最終更新:2024/07/25 15:15
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