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イオン系の赤字スーパー【ピカール】、利用してわかった「購入をためらう」ハードル

2024/07/15 15:00
サイゾーウーマン編集部
ピカール外観(写真:サイゾーウーマン)

 2016年に日本へ上陸したフランスの冷凍食品ブランド「ピカール」。イオン傘下の会社「イオンサヴール」が運営しています。赤字続きの同ブランドについて、実際に店で買物してきました。

※価格や情報は2024年7月7日現在の情報です。
※最新の情報は公式サイトをご確認ください。

目次

ピカールとは?
ピカールで実際に買い物してきた
料理名も価格もオーブン調理もハードル高し

【ピカール】とは?

ピカール外観(写真:サイゾーウーマン)

 イオンの子会社、イオンサヴール株式会社の運営する冷凍食品スーパーマーケット「ピカール」。ピカールはフランスの冷凍食品スーパーで、世界19カ国以上で販売され、日本では16年に東京・青山に1号店をオープンしました。

 フランスでは「国民食」と言われるほど圧倒的な人気を誇り、「好きな食べ物ブランド調査」で毎年高い評価を得ている冷凍食品ショップだそう。「365日、いつでも誰でもおいしさ溢れる食卓を」というコンセプトで、鮮度の高い野菜や料理、ワインにぴったりのおつまみを展開。フランスの家庭料理を気軽に楽しめる冷凍食品になっています。

 しかし、日本における業績はかなり厳しい状況。24年2月期の決算では赤字が拡大し、純利益はマイナス8億5,705万。確認できるデータだけでも直近5年の純利益は6億円以上のマイナスです。今後は、通販事業の強化と日本に住む外国人をターゲットにしていくと報じられています。

 店舗は「ピカール」と「プティピカール」の2パターンがあり、前者は路面店の形態で11店舗、後者はスーパーの中に出店する形で32店舗を展開しています。

【ピカール】買い物してみた

 日曜の午後7時すぎ、ピカールを訪れました。すぐ目の前にスーパーマーケットの東急ストアがあるせいか、客足は乏しく、筆者のほかには1人だけ。

 店内は冷凍庫がびっしり並んでいて、普通のスーパーとはまったく違う雰囲気です。冷凍庫ごとに「アペリティフ」「野菜」などカテゴライズされ、フランスらしい小洒落たパッケージがズラリ。

 今回訪れるにあたり事前におすすめ情報をチェックしたところ、ほとんどの記事で冷凍のクロワッサンが紹介されていました。店でも入ってすぐ、わかりやすいところで販売されていたので、クロワッサンは人気商品なのでしょう。

ミニパン・オ・ショコラ10個入り(写真:サイゾーウーマン)

 今回はクロワッサンと並んでいた「ミニパン・オ・ショコラ10個入り」(786円)を手に取りました。しかし、調理方法を見て手放したい気持ちに……。

調理方法(写真:サイゾーウーマン)

 180度に「予熱」したオーブンの「中段」で約18分加熱→「室温」で「約10分」おいてから、やっと食べられるんだそう。

 これ、いったい合計で何分かかるんでしょうか? 冷凍食品はレンチンですぐ食べられることがメリットだと思ってる筆者からすと、30分近くも調理に時間を要するこちらは、もはや「ごちそう」の域。 

 そもそも筆者はこの2年ほどオーブンレンジのオーブン機能を使ってないので、「中段」指定に「天板どこにしまったっけ?」と不安になってしまいました。 

味の想像がつかない料理名だらけ

シェーブルチーズとほうれん草のラザニア(写真:サイゾーウーマン)

 メインの総菜は数多く置かれています。「エスカルゴ・ド・ブルターニュ(Mサイズ12個入り)」はセールで1,199円、「アトランテティックサーモンのタルタル」2,299円など。

 上記の商品はパッケージの写真込みでなんとなく料理の内容が想像できるんですが、しかし、ほとんどの品はどんな味かわからないものだらけ!

 「サンジャックのパニエ ブルターニュ風」(1,449円)、「シーフードのヴェリーヌ」(1,599円)「サンジャックのサバイヨンソース和え」(セールで1,399円)などなど……。いくらパッケージに写真が載っていても「?」が浮かび、自分の食体験の貧しさを痛感させられます。

 一方、写真のこちらは「シェーブルチーズとほうれん草のラザニア」。どんな料理かわからないものだらけの中で、ようやく見つけた心安らぐ商品です。

 調理方法も600Wで10分と好印象。400gで693円のお値段も、1,000円超えがズラリと並ぶ中ではお高く感じません。

クルミとペカンナッツのタルト(写真:サイゾーウーマン)

 ケーキやエクレアといったスイーツも豊富ですが、やはりこれらも1,000円を超える商品ばかり。そんな中で見つけた554円の「クルミとペカンナッツのタルト」。しかし、これも調理方法を見て衝撃!

 電子レンジ「200W」で約2分30秒解凍……うちのレンジは対応してないかも、とかなり不安になりながらも、購入してみることに。

200W、無事に家のレンジも対応していました(写真:サイゾーウーマン)

イオンっぽい冷凍のカット野菜が充実!

 フランス料理の知見に乏しい筆者でも「これは使えそう!」と実用性を感じたのは大容量のカット野菜。どのスーパーでも見かけるほうれん草やミックスベジタブルですが、ピカールはBIO(100%有機栽培)が大充実! 

 価格は「BIOほうれん草」「BIOカリフラワー」「BIOインゲン」「BIOポロネギ」がそれぞれ600gで749円。先日利用した、フランス・パリ発のオーガニックスーパーマーケット「ビオセボン」のBIO野菜よりも、良心的な価格かなと思います。

 BIO以外のカット野菜もフランス感があり、「南仏野菜の角切り」450g648円、「7種類の野菜ミックス(スープ用)」1kg648円、「4種類の焼き野菜ミックス」600g1099円など。

 カリフラワーライスは「レモン・バジル風味」「オレンジ・コリアンダー風味」「アジア風味」と面白い展開です。こうした冷凍カット野菜やオーガニック野菜の冷凍品はイオンのトップバリュも展開してるだけに、企業としての方向性がここでマッチしたのかな? とも思いました。

【ピカール】料理名も価格もオーブン調理もハードル高し

ピカールの外観(写真:サイゾーウーマン)

 今回、ピカールを利用して思ったのは以下の3つ。

①料理名がわからない、1,000円超えが普通の価格帯
②オーブン調理がメインで時間がかかる
③カット野菜は需要ありそう

 料理名がわからない筆者のような人間に向けて、店内にはブルゴーニュ地方やロレーヌ地方など地方ごとの料理の説明があったり、レシピの提案も見られます。読めば勉強になるんですが、チャレンジ購入するには価格帯が厳しいと感じました。

 またオーブン調理がデフォルトというのも、日本の冷食がレンチン文化であることを踏まえると、ハードルの高さがあります。実際、筆者もパンの購入から1週間以上がたっても、いまだオーブンを動かす気になれません……。

 一方、カット野菜は日本の家庭にもすんなり収まりそう。ちょっとだけフランスの風を感じたい気分のときに1袋だけ購入するのはありだなと思いました。

 赤字から脱却できずにいるピカールは、広尾店、中目黒店、武蔵小杉店が閉店。今後の動向にも注目です。

セール品や新商品の案内(写真:サイゾーウーマン)
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最終更新:2024/07/15 15:00