撤退ラッシュ【イトーヨーカドー】、閉店迫った店舗のいま――在庫処分セールに見た「温かみ」
業績不振で規模縮小中の総合スーパー「イトーヨーカドー」。10月に閉店する千葉県・柏店で在庫処分セールを行っていると聞きつけ、早速行ってきました!
目次
・2026年までに33店舗閉店
・柏店で処分セール実施中
・770円の掘り出し物発見
・衣料品フロアは閑散……
※価格はすべて税込み。
※2024年5月26日の情報です。
【イトーヨーカドー】業績悪化で2026年までに33店舗閉店
かつては1兆5,000億円以上の売上高を誇り、日本全国で展開していたイトーヨーカドー。
しかし、16年に赤字に転落するなど業績が悪化し、店舗数が減少。現在は関東地方を中心に19都道府県で展開していますが、さらに2026年までに33店舗を閉店し、祖業のアパレル事業からも撤退するといいます。
なお、閉店する複数の店舗はディスカウントスーパー「ロピア」を擁するOICグループに譲渡するとか。これは、ディスカウント時代の小売業界を象徴する出来事ともいえそうです。
そして、この流れに伴い、千葉県柏市で半世紀以上にわたり地元住民たちに愛されてきたイトーヨーカドー柏店も、今年10月27日をもって閉店。以下、閉店5カ月前の柏店の様子をお伝えします。
【イトーヨーカドー】53年続く柏店が閉店、売り場をチェック
JR柏駅からほど近いイトーヨーカドー柏店に到着すると、入り口で“閉店のお知らせ”の貼り紙が目に飛び込んできました。
「53年間」という歴史の重みと、店長の「閉店まで従業員一同、心を込めて営業してまいります」という言葉が胸にズシンときます。
こちらの店舗は、地下1階が食品、1~3階が服飾、4階が肌着、5階が家庭用品などの売り場となっており、上層階には「キャン・ドゥ」や「ブックオフ」などのテナントも入っています。
1階の入り口を抜けると、閉店処分セールの特設コーナーが広がっていました。店内の薄暗さが寂しさを誘います。
ルールとしては、商品2点以上購入で値札の税込み価格から30%オフとなるそうです。
あらゆる商品が無造作に置かれていましたが、何となくジャンルごとには分かれていました。
エレコムのワイヤレスイヤホンは、3,828円の30%オフで2679.6円。同じ商品がAmazonで3,000円(27日現在)だったので、お得なのは間違いなさそう。
【イトーヨーカドー】閉店処分セールで770円モバイルバッテリー発見!
やけにカラフルな一角があるなと思ったら、BTSのオフィシャルキャラクター「TinyTAN」の充電式カイロが770円(1,100円の30%オフ)で大量に売られていました。
こちらはモバイルバッテリー(5000mAh)としても使える優れもので、ネット情報によると日本ではかつて定価5,280円で販売されていたもよう。
販売時期を優に過ぎている商品なのでしょうが、普通にモバイルバッテリーの値段としても安い! そして、日本のサイトをざっと検索した限り、フリマアプリやオークションサイト以外で販売中の通販サイトは見当たらなかったので、特に最近BTSファンになった人にとっては生唾ものでは?
2階の婦人服売り場へ移動すると、柱に地元の夏祭り「柏まつり」の写真が貼られていました。
唐突でちょっとびっくりしましたが、こういう温かみのある売り場作りが、イトーヨーカドーの魅力なのでしょう。
この日は土曜の昼頃でしたが、婦人服フロアと3階の紳士服フロアは寂しいほどに人影がまばら……。
柏駅前にはユニクロをはじめ衣料品店が集まっているため、この店舗の衣料品売り場は特に厳しい戦いを強いられてきたのかもしれません。
さらにフロアを上がると、5階にも閉店処分セールのコーナーが。ここでは「ソーダストリーム ジェネシス V2」が6,144.6円(8,778円の30%オフ)という破格の値段で売られていました。
ただ、前述のとおり2点購入が必須なので、何かをもう1点買う必要があります。
【イトーヨーカドー】フロアは閑散……アパレル撤退は妥当か
今回は閉店が決定しているイトーヨーカドーを訪れましたが、在庫処分セールのコーナーにはそこそこ人が集まっていたものの、衣料品のフロアは閑散としていました。
しかし、地下の食品売り場はもう少し人がいたので、今回売り場を見た限り、アパレル事業から撤退して食品中心にシフトするというイトーヨーカドーの方針は妥当といえそうです。
なお、この店舗には千葉県誕生150周年を記念したガチャ(1回500円)があり、柏店の外観を模った店舗限定アクリルキーホルダーも入っていました。
今、イトーヨーカドーにお世話になっている人はもちろん、「昔、よくイトーヨーカドーに家族で行ったなあ」「実家にいた頃、母親がここで下着買ってきてくれたなあ」などと特別な思い出がある人も、閉店前にゲットしてみては?