仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

『金スマ』に石田純一登場! なぜ彼は世間から白い目で見られるのか?

2024/03/08 19:00
仁科友里(ライター)
石田純一の画像
『金スマ』で再起を図ろうとしている石田純一(C)サイゾーウーマン

 2024年3月8日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたち』(TBS系)で、石田純一の密着企画が放送される。先月放送された同番組のママタレSPで、妻・東尾理子が石田から「俺じゃないと離婚されてるぞ!」と言われたことを明かし、物議を醸していたが、今回はその張本人が登場する格好だ。

 石田は2020年4月、新型コロナウイルス感染症にかかったことを公表。沖縄県知事が「県外からの来県自粛と、沖縄県民の外出自粛要請」を出した期間に同県を訪れ、ゴルフ場でプレー中に体調を崩したという。そのことが世間に広まると、批判が噴出。その後、病院に入院して治療を受け、退院に至ったが、すぐにノーマスクで外食をしていたことが週刊誌報道で発覚し、石田への批判はさらに過熱した。こうした一連の騒動が影響し、石田は番組やCMを降板する事態になったのだ。

 そんな石田だが、以降もたびたび飲み会への参加が報じられることに。テレビへの本格復帰はかなわず、経済難に陥ったという報道もあった。しかし、石田は一貫してこうした飲み会は「仕事」と断言し、なぜ世間に批判されているのかまったく理解していない様子だった。

 今回、石田が久しぶりにテレビに登場するということで、なぜ石田と世間の認識には溝があるのかについて考えた、ライター・仁科友里氏によるコラム記事を再掲する。


<今週の芸能人>
「あなたたちに話すことは、一生ありません! 」石田純一
「女性自身」2021年12月21日号(光文社)


目次

石田純一がコロナ禍に起こした騒動

妻・東尾理子の立場から考える石田純一の騒動

中園ミホ氏の「役者とご飯食べない」発言

石田純一は「家庭内の話」を仕事にするべき理由

コロナ禍で大きく評判を落とした石田純一

 コロナ禍で大きく評判を落としたタレントといえば、石田純一が思い浮かぶ。


 昨年4月に石田が新型コロナウイルス感染を発表した直後は、純粋に心配している人が多かったと記憶しているが、その後、週刊誌報道などで行動の詳細が明らかになるにつれ、彼に注がれる視線は冷たいものとなっていったように思う。

 同年6月9日発売の「女性自身」(光文社)は、沖縄県知事が「県外からの来県自粛と、沖縄県民の外出自粛要請」を出した中で、石田が沖縄を訪問していたと報道。同地で経営しているレストランの視察だと説明していたが、ゴルフに興じており、プレーの途中で体調を崩していたことも明らかになる。本人もまさか自分が感染しているとは思っていなかったのだろうが、結果的に石田は、濃厚接触者を増やすような行動を取ってしまったわけだ。これが原因なのか、滞在先の沖縄のホテルは一時休館に追い込まれたという。

 真面目にステイホームしていた人にとっては、この時点で信じがたいが、このあとの行動も物議を醸した。東京に戻った石田は、某大学病院に入院する。しかし、一般の人は新型コロナに感染したかもしれない、医療機関にかかりたいと思っても、いつつながるかわからない発熱外来や、保健所にずっと電話をかけ続けるしかない。好き勝手して感染しても、芸能人ならすぐに医療にかかれるのかと、石田を非難する声はSNSでよく見られた。

 こうした民意を読んだのか、退院後、『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』(読売テレビ)に電話出演した石田は、「ペナルティーとして、レギュラーの番組とかも降りました」と話していた。

 ここでおとなしくしておけばよかったのに、その後も石田は「懲りない」行動を取る。

 同年8月4日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)は、石田が7月下旬に出張先の福岡で飲み会に参加し、25歳の女性を“お持ち帰り”したと報道。飲み会に参加した理由について、石田は同誌の記者に「CMをやらせていただいている社長とゴルフをやっただけなんで。僕は今、テレビを干されているので、ビジネスパートナーには気を使っているわけ。レギュラー番組はないので、主な収入源はスポンサーなんです。何を言われようが、スポンサーに挨拶回りをするのは自分の仕事だと思っていますよ。子どもたちのためにも家を守るためにも」と主張したそうだ。

石田純一の行動を、妻・東尾理子の立場から考えると……

 つまり、自身の行動は飲み会でスポンサーをもてなし、それを収入に変えていく、一種の営業活動だと言いたいのだろう。現在67歳の石田だが、3番目の妻であるタレント・東尾理子との間にもうけた3人のお子さんはまだ小さい。長男は大学まで続く超名門小学校に合格したと報道されており、教育費はもちろん、その他もろもろのことでもお金がかかるだろうから、少しでも“営業”を増やしたいのは理解できる。

 一方、妻である東尾の立場から考えれば、夫が非常識な行動を取ることで番組を降板して収入も減り、迷惑をこうむっただけだろう。金銭的な痛手だけではない。石田が人の集まるところに出向けば、本人はもとより、自分や子どもたちへの感染リスクも高くなってしまう。そうすると、子どもたちがクラスメイトやその親から「あの子は感染しているのではないか」と疑いの目で見られることもないとは言い切れないから、さぞ肩身の狭い思いをしたのではないか。

 端で見ていても揉め事のタネが多そうな夫婦だが、今年12月7月発売の「女性自身」は、仕事が激減したことによる経済難で、都内の一等地に立つ豪邸を石田が売却しようとしていると報じた。夫婦仲が悪化していることもあって、豪邸の売却は財産整理のためではないかという、石田の知人の話も紹介されている。記者がウラを取るべく石田を直撃したところ、「あなたたちに話すことは、一生ありません! もう来ないでいただけますか!」と激高し、「家庭は崩壊しています、はい。家庭もすべて崩壊していますから! 帰ってください」とキレながら答えたそうだ。

 週刊誌の報道で自分の評判が落ち、仕事を失ったことから、石田は「今の窮状は週刊誌のせいだ」と思いこんでいるのかもしれない。ターゲットにされている感は否めないが、実際、石田も飲み会に参加しているわけだから、週刊誌ばかり責められないだろう。

中園ミホ氏の「役者とご飯食べない」発言に思う、石田と世間の溝

 石田が飲み会で営業を行う一方、12月5日放送『ボクらの時代』(フジテレビ系)では、脚本家の中園ミホ氏が「基本的に役者さんとはご飯は食べない」と話していた。その理由は、俳優に「ボクの役、もうちょっと立ててと言われる」「男の俳優が脚本家によくしてくれるのは、ほぼ全員そう」だから。飲み会が仕事仲間との親睦の一環ならいいが、“おねだり会”にされると面倒なので、一線を引いているようだ。

 もしかすると、石田は飲み会自体が「自分を売り込んだり、仕事を得るための手段」だと考えていて、だからこそ、批判を無視して参加しているのかもしれない。今でもそういう手法で仕事を得ている人もいるのかもしれないが、中園氏の発言でもわかる通り、業界で高い地位にある人がテレビのような公の場で「飲み会は仕事の取り引きの場ではない」とはっきり言う時代になっている。

 コロナ禍の影響でそもそも飲み会を開催することが難しいし、コロナが終息に向かっても、かつてのような雰囲気に戻るかも疑わしい。酒を飲みながら仕事仲間とコミュニケーションを取ること、いわゆる「飲みニケーション」を不要だと思う人が6割を超えたとの調査が出ていたように、世間的にも「飲み会も仕事のうち」という考え方は、どんどん廃れているのではないだろうか。

 世の中の大半の人にとって「飲み会は遊び」という感覚になっている今、批判を浴びても飲み会に出続ける石田が週刊誌で報じられれば、「どんだけ飲み会好きなんだ」「どうして懲りないんだ」と、白い目で見られるのも仕方のない部分がある。石田と世間の溝は、なかなか埋まらないと思う。

 こうやって考えてみると、石田が叩かれている理由は「飲み会に出ている」からというよりも、「民意が読めないから」と言ったほうがよさそうだ。世間の反応が予想できない芸能人は、「時代についていけていない」と思われがちである。そして、石田の仕事そのものも、今後は難しくなってくるのかもしれない。

石田純一は「家庭内の話」を仕事にするべき?

 石田は「飲み会」以外にも、ある方法で仕事を増やしていた時期がある。 

 2番目の妻で女優・松原千明と結婚している最中に、モデル・長谷川理恵と不倫関係に陥り、ワイドショーのリポーターに追いかけまわされることになる。こんな時、ほかの俳優はひたすらリポーターを無視し、邪険にしたが、石田はほどほど真面目に質問に答えていたと記憶している。マイクを向ければ質問に答えてくれる石田をワイドショーは追いかけるが、この“集客力”に目をつけたのがイベント会社だ。

 彼をイベントに起用すれば、ワイドショーのレポーターが来てくれて、会場の様子がテレビに映る。こんな“宣伝効果”の高い人は、当時なかなかいなかっただろう。こうして、石田は仕事を増やしてきた感があるが、ワイドショーは芸能レポーターが高齢化し、若い人のなり手がないと聞いたことがあるので、番組の形も変わっていくかもしれない。イベントだって、高いギャラを払って芸能人に来てもらうよりも、インフルエンサーに宣伝してもらうことが増えている。石田の仕事獲得のための方法や、仕事そのものが「過去のもの」となる可能性は否めないだろう。

 しかし、鉱脈は意外なところにあるともいえる。石田の現在の妻や岳父は有名人だし、初婚、再婚でもうけた子どものいしだ壱成、すみれも芸能活動をしている。元妻の松原も元女優で、典型的な芸能人一家だ。

 ということで、今後は「芸能界の大家族もの」を目指して、お子さんに差し支えない範囲で、私生活を公開していったらどうか。家庭というのは、そもそもがネタの宝庫だし、家庭内の話なら飲み会で営業する必要もないから、叩かれない。若く見える石田だが、もう67歳。体に気を付けて、家族に愛想をつかされないような仕事の仕方を見つけるべき時が来ているのかもしれない。

※2021年12月9日の記事に追記・更新



仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2024/03/08 19:00
キー局GP帯1時間ぶち抜きで石田純一特集って事実がもう笑える