美容師が「coconeクレイクリームシャンプー」の「最悪」評価をジャッジ！　2週間使って「警告を促す」ワケ

　近年、新感覚のシャンプーとして注目を集めている「クリームシャンプー」。なかでも、「楽天ベストコスメ2023　ヘアケア部門シャンプー1位」「ロフトベストコスメ2023 1位」と受賞歴多数、「美容師の大本命シャンプーNo1」「髪のプロが選んだ愛用したいシャンプーNo1」と大絶賛される「coconeクレイクリームシャンプー」に今回は注目。元美容師のAKKOさんが実際に使ったうえで、辛口レビューしちゃいます！

目次

・クリームシャンプーとは？
・coconeの成分的な特徴（長所、短所）
・coconeを使ったメリット、デメリット
・coconeの悪い口コミの真偽は？
・coconeの良い口コミの真偽は？
・coconeが合うのはどんな人？
・coconeを使わないほうがいいのはどんな人？
 ・＜総評＞市販シャンプーで優れものはいくらでもある

クリームシャンプーとは？

　クリームシャンプーという名称の通り、テクスチャーは通常のシャンプーと異なり、クリーム状で泡は立ちません。これ1本でトリートメントの効果もある上、頭皮ケアを行うという多機能性があります。

　市場ではリンスインシャンプーが販売されておりますが、それとは全く違うジャンルで、特に注目すべき時短、補修、保湿といった点。まず、シャンプー剤を泡立てるといった工程がありませんので、クリームをダイレクトに頭皮へなじませます。要は、クリームの油分で皮脂を浮かせて洗浄していくんです。イメージ的には、クレンジングと同様。これだけで、毛穴の奥の汚れや皮脂を取り除き、頭皮をケア、ダメージ毛にもしっかり補修と保湿をしてくれるのです。

　通常のシャンプーのようにゴシゴシ洗う必要はなく、指の腹でゆっくりとマッサージするだけ。リラックス効果もありますので多くの方がハマっているようです。

coconeクレイクリームシャンプーの成分的な特徴

　海のミネラルをたっぷり含んだ「泥（泥）」を使用していことが大きな特徴のようです。極めて微細なマイクロクレイと活性炭が毛穴の汚れをしっかり除去し、イヤな臭いを吸着するとのこと。また、地肌をいたわる成分や8種類の植物オイルの配合でダメージ毛を補修、保湿するそう。

　天然由来成分97％のうち、美容成分87%のため、わずかな時間でサラつやヘアを可能にするとか。さらに、シリコン、合成界面活性剤、鉱物油、パラベン、合成着色料、サルフェートフリー。これら成分バランスにより、髪と頭皮のターンオーバーを促進するといいます。

coconeクレイクリームシャンプーの成分的長所

・「ヘマチン」「メリタン」は補修や保湿効果が高く、カラーリングの色持ち効果が期待されます。血流の活性化により白髪予防にも有効的。
・「アスコフィルムノドスムエキス」「フカスセラツスエキス」「スサビノリエキス」「サガラメエキス」「ヒバマタエキス」といった海藻成分は、髪の芯から保湿を促し潤いのあるツヤサラ効果が期待できる
・「クレイ（泥）」と「活性炭」で頭皮の汚れを除去
・「オーガニックブレンドオイル」で髪を柔らかくしてなめらかにする
・香りが心地良い

coconeクレイクリームシャンプーの成分的短所

・洗い心地は一般的なシャンプーに比べて劣る
・強力なタンパク変性作用を持つ4級カチオン界面活性剤を含んでいることから肌荒れや脱毛等のトラブルもあり得る
・1mlあたりの金額が約10円と割高

coconeクレイクリームシャンプーを使ったメリット、デメリット

メリット

・時短ケアの救世主
・乾燥を防ぎ、なめらかな手触りに
・フィンガーブローで驚くほどのツヤが出た
・長年悩んでいたかゆみが治まった
・ベルガモットの香りで心地よいバスタイム

デメリット

・人体に有害といわれる4級カチオン界面活性剤を含んでいる
・洗った後の爽快感がなく、ニオイやベタ付きは避けられない
・流す際に体にかかるとヌルヌルする（特に背中）
・ボトルが使いにくい
・ハイコスト

coconeクレイクリームシャンプーの悪い口コミ「頭皮がべたつく」「頭皮が臭くなる」の真偽は？

　2週間ほど使用を継続していましたが、正直なところ「頭皮がべたつく」「頭皮が臭くなる」「フケが出てかゆくなる」の症状は確認できました。使用は12月だったので、汗はほとんどかかず、頭皮が汚れるコンディションではありませんでした。

　初日、心地よい爽快感があり、長年患っていた原因不明のかゆみがピタッと治まり「これは！」と感激しました。ところが、3日目あたりからはシャンプー後の不快感と物足りなさを覚えるように。1週間後、ドライヤー後の髪は皮脂によるしっとり感があり、頭皮を指でなぞると不衛生なニオイが残りました。

　限界を感じ出した頃、ポンプからクリームが出なくなったので元のシャンプーに戻ったのですが、泡は全く立たず、3回もシャンプーする羽目になりました。これはどういうことかといいますと、非常に汚れている状態そのものです。ただ、cocone使用中にフケやかゆみを感じることはありませんでした。しかし、常に頭皮に不快感がありました。

coconeクレイクリームシャンプー、ポンプから出ないことの問題点

　ボトルの残量が3分の1となったころ、ポンプでクリームを出すことが困難になりました。公式サイトでは、製品の出にくさについて注意書きがありますが、その際はボトルを空け中身を手ですくって使用することを促しています。しかし、この行為を行うことでボトル内に手についている水が混入。水の侵入はボトル内で雑菌が繁殖しますので、肌の弱い方やお子さまには危険ですし、夏場は腐敗する恐れも……。というわけで使用を中止しました。

　なお、この点についてはユーザーからのクレームが多かったのか、現在は専用のスパチュラをつけて販売しています。

coconeクレイクリームシャンプーの良い口コミ「髪がまとまる」「髪質改善にもなる」の真偽は？

　単刀直入にいうと、髪の手触りやまとまりはよかったです。私は、ブリーチ毛なので通常の髪に比べて乾燥してパサついています。保湿が不可欠な髪ですが、使用中はアウトバストリートメントを使用せずにドライしたところ、ブローしたてのようなツヤ感とうるおいを実感できました。ただ、数日経過した際、まとまり感に少し気になる変化が見られ、単に“分必した皮脂でまとまっている”という印象を強く持ちました。

　たしかに、海の泥やミネラルの成分で保湿はされていると思います。しかし、最終的に頭皮からニオイや皮脂が出まくっているともなれば、それは補修や保湿によるまとまりではありません。また、髪質改善になるといった声もあるようですが、それまでにはある程度の時間を要します。髪質を改善するにはホルモンの分泌が大きく関係してきますので、ボトルを1本使い切った程度で効果が現れるかと言えば、ないに等しいと考えたほうが賢明です。あくまでも個人差なので、クリームシャンプーとの相性がいい方もいらっしゃるのも事実で、そのためにも、ある程度の期間を設けて試してみることをおすすめします。

coconeクレイクリームシャンプーが合うのはどんな人？

　一番のウリ「時短」については、忙しさに追われてヘアケアに時間を割く余裕がない方にはもってこい！　特に、小さいお子さんとのバスタイムは戦場と化します。けれど、まだまだキレイを追求したいのも本音でしょう。

　また、短期間で髪の手触りがなめらかになりパサつきも軽減され、長年悩んでいた原因不明のかゆみから解放されたことは確かです。もし、同じようなかゆみ症状のある方は試してみる価値はあります。

　さらに、心地よいベルガモットの香りは優雅なバスタイムを演出し、リラックス効果は絶大。とはいっても、もしこれが夏場だったらと考えると少し厳しいですね……。汗をかきにくい方や常時、エアコンに当たっている方など、とにかく頭皮の汚れが少ないという方でしたらトラブルも少ないでしょうが、シャンプーの使用感が気になる私はこの時期でも不快感には勝てず、長期的な使用の継続を断念。なんとも言えませんが、ひどい乾燥やダメージ毛の改善を求めるか方は向いているかと思います。

ココネを使わないほうがいいのはどんな人？

　前途の通り、このシャンプーには「ベヘントリモニウムメトサルフェート」「ベヘントリモニウムクロリド」といった4級カチオン界面活性剤が含まれています。これは、コンディショニング作用は高いものの極めて刺激が強いことから、「髪にだけつけること」と警告を促すほどの成分です。それを直接地肌にマッサージするという行為がいかほどかということです。

　なので、肌の弱い方やお子さまには不向きな上、長期にわたる使用は確実に症状となって表れてくるでしょう。リンスインシャンプーと同様、1本に全てを凝縮することで避けられないものであるのも理解はできますが、毎日使うものでしたらできる限り人体に有害なものを避けるべきです。ということで、どんな人に向き不向きかという回答がなかなか困難なシャンプーでした！

＜総評＞市販シャンプーで右に出る物はいくらでもある

　あくまで個人的な意見ですが、総合的にみておすすめはないです。なので、「髪のプロが選んだ愛用したいシャンプーNo.1」としてプロが絶賛する理由と、「美容師の大本命シャンプーNo.1」と太鼓判を押す美容師さんの根拠を知りたいくらいです！　ただ、時短だったりリラックス効果や仕上がりのなめらかさ、パサつきの解消は相応に感じられたので、真っ向から全否定はしません。

　しかし、品質やコスパを考えてもメリットがデメリットを上回るとは考えにくい商品です。ある美容サイトでは、coconeの安全性を疑問視しているほど。このレベルのクオリティならば、coconeにこだわらなくてもドラッグストアで販売される通常のシャンプーでも優れものはいくらでもあると思います。クリームシャンプーという新感覚のシャンプーを一度試してみたいという目的であれば、知名度もあるようなので手に取ってみるのもいいかもしれませんね。もしくは、頭皮からケアするといったクリームシャンプーの概念や使用法を捨てて、ヘアパックという使い方もアリなのではないでしょうか。

AKKO（ライター）

山野美容専門学校卒業後、美容師として10年以上現場を経験。およそ2万体近くのヘアーと向き合う。一線を退いた後、成人式や七五三、特殊セットなど、これまで疎遠だったジャンルへ地味に進出する傍ら、2016年にライターへ転身。これまで培った知識や経験を生かしながら、美容情報を発信している。

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