“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第686回】

木村拓哉、契約問題はどうなった? 4カ月経過も発表なしーーSMAP再結集報道の背景

2024/02/20 21:00
神林広恵(ライター)
「女性セブン」2月29日・3月7日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 「週刊新潮」(新潮社)で性加害疑惑が報じられたサッカー日本代表・伊東純也選手が被害を証言した女性2人に対し、約2億200万円もの損害賠償請求を求め民事提訴した。これを報じた「週刊新潮」ではなく、告発した女性たちだけに巨額の賠償請求を行ったのだ。伊東選手側の意図がどうであれ、このやり方は今後の性加害告発に対して、確実に萎縮効果をもたらすものだ。被害者の声を封じる効果もある。事実がどうであれ、やり口にモヤモヤする。

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
木村拓哉の契約問題はどうなった?
広末涼子の独立と行く末
綾瀬はるかの記事にあぜんとする表現

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第686回(2/15〜2/20発売号より)
1位「木村拓哉準備OKで中居正広の決断 SMAP再始動は『99%』」(「女性セブン」2月29日・3月7日号)
参照「中居正広“兄貴”急逝で涙の誓い『スマスマ』SPで6人再開」(「女性自身」3月5日号)
2位「広末涼子 個人事務所につけ加えた“12の項目”」(「週刊女性」3月5日号)
3位「綾瀬はるか 『ここは私に任せて』 火照った「高級火鍋」パーティー撮」(「女性セブン」2月29日・3月7日号)

木村拓哉の契約問題はどうなっている?

 「株式会社STARTO ENTERTAINMENT」が4月から本格始動するらしい。そう、ジャニーズ事務所が消滅し、そのタレントの受け皿となる新会社だ。社長も外部から招聘した福田淳氏が指揮を取り今後の“脱ジャニーズ”や“変化”などの動向が注目されている。


 そんな中、「女性セブン」「女性自身」がそろってぶち上げたのが、SMAP“再始動”“再集結”記事だ。まずは「セブン」。その根拠について、SMAPをめぐる周囲のいくつもの変化を指摘する。そのひとつが、旧ジャニーズとも太いパイプを持つフジテレビプロデューサーがテレビ朝日に電撃移籍するという説。

 テレビ朝日は2026年に「東京ドリーパーク」という複合施設を開業予定で、そこには“ジャニーズ劇場”が常設されると報じられた。そして、この劇場のこけら落としにSMAPを登場させるべく、このプロデューサーのテレ朝への移籍が画策されているという。つまり、SMAP再結成のための移籍というシナリオだ。

 さらに昨年には、『まつもtoなかい』(フジテレビ系)で中居正広と香取慎吾の“共演”が実現し、話題になったが、この収録の際、2人は木村拓哉の話題で大いに盛り上がったらしい。実際のオンエアでは、その部分はすべてカットされてしまったというが、香取と木村の雪解けのひとつの証左だと紹介される。

 ほかにも木村がSMAPのことを「ウチら」と表現したこと、木村の楽屋に草なぎ剛が訪れたことなど、いくつもの傍証がなされている。だが「セブン」がSMAP再結成の最大の理由としていることがある。驚くべきことに、それは木村の“独立”なのだという。

 記事によると、その根拠は以下の通り。


(1)現在STARTO社と木村の契約が長引いている。
(2)だが、まもなく決着がつくだろう。
(3)同社とのエージェント契約第1号とみられてきた木村だが、独立の可能性が出てきた。
(4)木村の契約問題が長引いた背景には再結成が関係しているのは間違いない(どんな根拠かは記事ではよくわからないのだが)。
(5)よってSMAP再結成に向け、木村の準備は万端だ。
(6)さらに中居も50才を過ぎ、大病もしたことから決断に時間はかからないはず。

 以上が「セブン」が記すSMAP再結成説とそのシナリオだ。木村が独立してSMAPを再結成、その確率最大で99%――つまりSMAP再結成の大前提は、木村がSTARTO社とエージェント契約をせずに独立するということだ。にわかには信じがたい、本当か?

 というのも、昨年からのジャニー喜多川氏の性加害問題とジャニーズ解体以降、SMAPの再結成は何度も取りざたされてきた。同時に木村の独立説も根強くささやかれてきた。その最たるが昨年「週刊文春」(2023年10月12日号/文藝春秋)が報じた「キムタク裏切りのジャニーズ脱出」との報道だ。当時、木村が独立を画策中という記事だったが、しかし旧ジャニーズは“エージェント契約に向け準備を進めている”として、独立はないという旨の異例の声明を出している。

 さらに同じくSMAP再始動を報じた今週の「自身」には、木村の契約状況に関して、こんなくだりが。

「一部で独立説も流れていた木村拓哉さんも、すでに新会社との契約を終えたようです」

 その上で、「自身」もSTARTO社福田社長がSMAP復活を願っていることなどから、“SMAP6人再会”とぶち上げた。つまり「セブン」は独立、「自身」はエージェント契約と、肝心の“木村拓哉の契約“についてまったく食い違うのに、なぜかSMAP再結集という結論は同じということになってしまった。なんだかね。それもこれも事務所が“木村とのエージェント契約が進んでいる“と声明を出してから、すでに4カ月もたったのに、その後何の発表もしないからだろう。だから勝手な臆測や希望的記事が出る。どうなっている? 木村拓哉の契約問題!!

広末涼子の独立と行く末

 そして事務所との契約といえば、不倫騒動で芸能活動休止中の広末涼子も、長年所属してきた事務所「フラーム」からの独立を発表した。今後は個人事務所「株式会社R.H」で、俳優業を中心に活動するらしい。そもそも「フラーム」は広末のためにマネジャーが立ち上げた事務所で、26年間もの長きにわたり二人三脚でやってきた事務所だ。しかし不倫騒動の最中、あろうことか広末は「週刊文春」に自ら連絡して、事務所とその社長に対する不満をぶちまけた。よって独立は当然の流れだったのかも。広末独立を報じた「週刊女性」には、こんなくだりが。

「事務所とは、お互いの弁護士を通して話し合いを続けた結果、最終的に広末さんが多額の賠償金を払い、独立を決めたそう」

 賠償金――不倫と恩人批判は大きな代償となったのか。そして、もともと節税のために設立してあったという個人事務所だが、昨年10月には“ブランドバッグ、時計などの買取販売”“不動産の売買”など、新たに12項目の事業目的が追加されたという。

 不倫相手の鳥羽周作シェフと今後どうなるのか、またお騒がせ女優として、さらに名を馳せてしまった広末だが、独立して事務所コントロールもなく、さらに奔放になってしまうのか。「週女」も広末の行く末を心配しているが、確かに心配だ。

綾瀬はるかの記事にあぜんとする表現

 なんだか久々にあぜんとする表現を女性週刊誌で発見してしまった。それが「女性セブン」の綾瀬はるか記事だ。内容は綾瀬が女性3人と都内の高級中華で火鍋を囲み、シードルで盛り上がっていた。そして綾瀬は最近はまっているという“塩”に関し、「食べていい塩と、ダメな塩がある!」と力説していたというもの。そして記事はこんな言葉で締められていた。

「火鍋とシードルで火照ったのか、力説する綾瀬の頬は赤く染まっていた」

 不適切にもほどがある!

神林広恵(ライター)

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2024/02/20 21:00
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