コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験、「最低でもGMARCH」はウソだった――わが子を新設校に入れた母の後悔

2024/01/27 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 由宇さんも当初は楽しく通っていたとのことだが、暗雲が垂れ込めだしたのは中学3年生あたりからだったという。

「突然、先生方が大量に辞めたんです。詳しい事情はわからないんですが、どうも学校上層部と意見が対立した……ということがあったようです。学校の看板のようにご活躍なさっていた先生も辞められて、まるで空中分解のようになっちゃって。実施予定だった行事のいくつかもなくなりましたし、全体的に勢いがなくなった気がしました。由宇の大好きな先生も退職されて、本当に悲しんでいましたね」

 早恵美さんをガッカリさせたのは、学校側の対応だったという。

「結局、学校側からの詳しい説明はないまま、そのまま高校へ上がりました。最低でもGMARCHと言っていたのもウソで、卒業生は良くてGMARCH。早慶に合格する人なんて、ほとんどいないって状態だったんです」

 また、入学前、学校側は「英語はネイティブから学ぶので、任せてください」と言っていたものの、「ふたを開けてみたら、いわゆるお飾りネイティブ。授業にネイティブの講師が来たからって、英語ができるようになるわけじゃないですよね……」と、早恵美さんはため息をつく。

「このように、入学前の約束がどんどんと反故にされていくようで、ガッカリしました。小学校で懲りていたのに、また学校に不信感を抱くことになってしまって……。高いお金を出しているだけに本当に残念に思っていました」

 学校側も経営がかかっているので、入学者獲得のために美辞麗句を並べて受験者を誘うのは、ある意味、常套手段ともいえる。また、あまり知られていない事実かもしれないが、例えば、「海外有名大学で講義が受けられる」というような特典は、その学校ではなく、在籍している先生個人のコネクションにより成立していることも、実際にあるのだ。

 つまり、その先生が何らかの事情で退職すると、その特典を得るためのルートごとなくなる……ということがないわけではない。伝統校であれば、ノウハウが受け継がれているので稀なケースかもしれないが、そこは新設校の弱点だろう。

 学校が何らかの新しいことにチャレンジして、その改革が完全に軌道に乗るには、最低でも10年の歳月がかかるといわれている。今現在、大学合格実績も含めて超一流校と呼ばれている学校は、たった数年で名だたる実績を上げたのではなく、先生方や生徒たちの日頃の努力の積み重ねた結果であり、その歴史の上に成り立っているのである。

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