かつては人気ドラマ枠だったが

『いちばんすきな花』がワースト入り危機……「木曜劇場」歴代視聴率“最下位”ドラマは?

2023/12/04 09:00
仲宗根由紀子(エンタメライター)
Hey! Say! JUMP・中島裕翔の画像
主演作の視聴率が3%台でこんな顔(写真:サイゾーウーマン)

 1984年10月にスタートした、フジテレビ系木曜午後10時台のドラマ枠「木曜劇場」。これまで鈴木保奈美主演『愛という名のもとに』(92年1月期)や唐沢寿明主演『白い巨塔』(2003年10月~04年3月放送)など視聴率20%超えの大ヒットドラマを多数世に送り出してきた。

 そんな歴史ある同枠では現在、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演を務める『いちばんすきな花』が放送中。民放公式動画配信サービス「TVer」のお気に入り数は144万を突破(12月1日現在)し、今期連ドラにおいてトップを独走中だ。

 しかし、視聴率のほうはなぜか不振が続いており、平均世帯視聴率は4~5%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を推移している状況。今後もこの調子が続けば、全話平均視聴率において同枠のワースト5に入る可能性もある。

 そこで「サイゾーウーマン」では、10年以降に同枠で放送された作品を対象に、平均世帯視聴率の全話平均をランキング化。ワースト20を紹介したい。

ワースト1位は『純愛ディソナンス』と『この素晴らしき世界』

 全話平均が最も低かったのは、昨年7月期の『純愛ディソナンス』と、今年7月期に放送されたばかりの『この素晴らしき世界』で、ともに3.9%。前者は「純愛×ドロドロ“純ドロ”ストーリー」を謳い、Hey!Say!JUMP・中島裕翔演じる高校教師と、吉川愛演じる生徒の“禁断の関係”が描かれた。


 第3話までは恋愛とサスペンスが入り混じった学園モノとして描かれ、「ただの恋愛ドラマかと思ったら、ミステリー要素もあってすごく面白い」と視聴者の食いつきもよかった。

 しかし、第4話で5年後に時が進み、“セカンドパートナー(配偶者以外の、肉体関係を伴わない親密な交際相手)を探すためのマッチングアプリ”の運営会社を舞台とした愛憎劇に切り替わると、「いきなりつまらなくなった」と酷評されるように。同時に視聴率も3%台に落ち込んでしまった。

 一方『この素晴らしき世界』は、平凡な主婦がひょんなことから大女優として振る舞うことを頼まれ、二重生活を送ることになる“なりすましコメディー”。当初は鈴木京香が主演を務める予定だったが、体調不良で降板したため、急きょ若村麻由美が代役を務めた。

 鈴木ありきで“当て書き”したような脚本だったこともあり、ネット上では「若村さんも悪くないけど、こういう役はやっぱり鈴木京香さんで見たかった」と降板を惜しむ声が続出。ただ、若村のコメディエンヌぶりに魅了された視聴者も多く、数字につながらなかったのは残念だ。

新木優子と高良健吾のダブル主演作がワースト3位

 ワースト3位は、19年10月期の『モトカレマニア』で4.4%。新木優子&高良健吾のダブル主演という豪華なキャスティングであったが、新木にとって地上波ドラマ初主演作だったこともあってか、視聴者の食いつきはイマイチだった。


 瀧波ユカリ氏の同名漫画(講談社)を原作とした同作は、5年前に別れた元カレ(高良)を忘れられないユリカ(新木)が、職場で元カレと再会し、心が揺れ動くという物語。

 第4話が平均世帯視聴率3.0%を記録した際には、“木曜劇場史上最低”と話題になったが、今年1月期に放送された菜々緒主演『忍者に結婚は難しい』の最終話が2.8%でこれを下回ることに。ただ、裏番組のWBC中継の影響があったため、菜々緒には同情の声も聞かれた。

 なお、同枠の視聴率は1990年代をピークに徐々に下降。篠原涼子主演『オトナ女子』や松下奈緒主演『早子先生、結婚するって本当ですか?』が放送された15~16年あたりから“全話1ケタ”が珍しくなくなった。さらに、ここ1~2年は全話平均5%以下のドラマが目立っており、いつ枠の見直しが検討されてもおかしくない状況といえる。

 このままだと、今後も歴代ワースト作品を生み出してしまいそうな「木曜劇場」。『いちばんすきな花』終了後は、24年1月から小芝風花主演『大奥』がスタートするが、かつての同枠のような勢いを取り戻せるだろうか。