『オドオド×ハラハラ』と『スマスマ』の共通点――フジ久々のヒットになる可能性を考察
お笑いコンビ・オードリーとハライチによるトークバラエティ『オドオド×ハラハラ』(フジテレビ系)が好調のようだ。
「今年10月に放送された初回2時間スペシャルは、世帯視聴率3.0%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)、個人は2.0%。木曜夜8時は、裏に『ぐるナイ』(日本テレビ系)、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)という強敵がいる中にあって、この数字は上々の滑り出しといえます」(芸能ライター)
『オドオド×ハラハラ』は、『あちこちオードリー』『ゴッドタン 〜The God Tongue 神の舌〜』(テレビ東京系)を手がける元テレビ東京で現在はプロデューサー・佐久間宣行氏が演出を担当。今年6月、「土曜プレミアム」枠で放送された特番が世帯5.2%、個人3.3%、さらにはC層(男女4歳~12歳)の視聴率が同時間帯横並びトップを獲得したことから、「レギュラー化が決定した」(テレビ業界関係者)とのこと。
同番組は「チャレンジトークバラエティ」という肩書だが、単なるトーク番組ではなく、その可能性を広げるような挑戦的な企画が多い。例えばお笑いタレントらが、特定の芸能人が絶対言わないであろう一言を考えて本人に実演してもらう「芸能人 言わない一言GP」。「DJ KOOとSAMが、カフェしながら絶対言わないひと言」、「ゆうちゃみがスマホの画面をスクロールしたあと絶対言わない一言」など、シチュエーション大喜利に奥行を持たせた企画だ。
ちなみにDJ KOOとSAMの「言わない一言」では、DJ KOOが「DJ 松永と俺、DJとしてどっちが有名かな?」と尋ね、これに対してSAMが「その質問何回するんだよ」とツッコミを入れるといった独特の空気感の会話劇となり、スタジオの笑いを誘った。
ほかにも同番組には、「ふわふわ料理店」というグルメ企画がある。オードリーとハライチが「昭和・平成・令和」、「転生したら素晴らしいステーキだった件」などふわっとした料理名を提示し、その名に合った料理をシェフに即興で作ってもらう内容だ。
「『オドオド×ハラハラ』は、潤沢な予算をかけて作り込まれた上質なバラエティという雰囲気が漂っています。まさに、家族で楽しめる番組。かといってベタになりすぎず、タイトル通り少し緊張感もありつつ、いずれも大喜利要素が入っているので、視聴者も一緒になって回答を考えられます」(同)
『スマスマ』の人気企画「ビストロスマップ」のいいとこ取り
中でも、「ふわふわ料理店」は、うまくハマればヒット企画になる予感がするそう。
「料理をメインにした企画は、裏の『ぐるナイ』を意識したのかもしれません。ただ向こうは、実在する料理の値段を当てるという内容。こちらは、まだこの世にない料理を作る点が視聴者の興味を引き付けます。これは、ゲストのオーダーに沿い、SMAPのメンバーがオンリーワンな一皿を作る『SMAP×SMAP』(同)の人気企画『ビストロSMAP』に共通している点。『ふわふわ料理店』は、そんな『ビストロスマップ』のいいとこ取りをしながら、先鋭化させているので見ていて楽しいんですよ。同番組には『スマスマ』を手掛けていた作家も入っているので、そこから着想を得たのでしょうか」(同)
なお、初回放送の冒頭、オードリー・若林正恭もハライチ・岩井勇気共に、「絶対終わらせたくない」と意気込んでいた。
「オードリーはケイダッシュステージ、ハライチはワタナベエンターテインメントに所属しています。一方、裏の『ぐるナイ』にはナインティナイン、『モニタリング』にはブラックマヨネーズと吉本芸人がメインで出ている。非吉本勢としても、このゴールデンの牙城だけは崩したくないという思いがあるのかもしれません。フジのバラエティでは久々のヒットになる可能性もあるのでは」(同)
果たして『オドオド×ハラハラ』は、長寿番組になれるのだろうか。