二宮独立は嵐を守るため!? 理解できない支離滅裂な論を展開する「女性自身」
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ガーシー2回目の公判、多くの人がびっくりしただろう。情状証人として元ジャニーズJr.でジャニー喜多川氏からの性加害を訴えたカウアン・オカモト氏が出廷したからだ。その理由はジャニーズ性加害問題について日本マスコミが沈黙する昨年の段階で唯一、自身のYouTubeでこの問題を取り上げてくれたからというもの。なるほど。改めて日本メディアの罪は深い。
第672回(10/26〜10/31発売号より)
1位「二宮和也の抜け駆け独立に松本潤との軋轢が再燃」(「週刊女性」11月14日号)
同「新ジャニーズの混迷 二宮和也 中居正広流『絆繋ぐ』教え『退所は嵐を守るため!』」(「女性自身」11月14日号)
2位「中森明菜 新『北ウイング』からの再出発と『飛び立てなかった逃亡事件』」(「週刊女性」11月14日号)
3位「米倉涼子 『社長失敗』で頼る老紳士」(「女性自身」11月14日号)
東山紀之の社長就任撤回が報じられるなどジャニーズ性加害問題をめぐる余波が続く中、メディアの混迷も続いている。SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)からの独立を発表した二宮和也に関して「女性自身」と「週刊女性」の2誌がともに報じているのだが、その内容やスタンスを見ても、まだまだ混乱が収まっていないことがわかる。
まずは「週刊女性」。ここにきて、すこーしだが旧ジャニーズに対する忖度を弱めているように見える同誌は、二宮独立に関して松本潤との“軋轢再然”説を持ってきた。そう、2019年11月に結婚した二宮だが、これに反対し、大きな不満と不信を松潤が持ったとされるあの一件だ。
二宮が結婚を発表したのは20年末での嵐活動休止の直前であり、かつ20周年ツアーの真っ最中。そんなタイミングで結婚を急いだ二宮に松潤が怒り心頭に――という一件。実際、二宮の結婚発表に対し、相葉雅紀と櫻井翔は祝福のコメントを出したが、松潤と大野智はノーコメントだったことも大きな話題になった。その後2人は和解したとみられてきたが、今回の二宮独立で軋轢が再燃したというもの。しかし、記事では二宮の独立を“抜け駆け独立”と揶揄する一方、SMILE-UP.や嵐の“やり方”にも、こう疑問を呈するのだ。
「このところ“5人”アピールをしたり、大野くんの名前を出したり、やたらと嵐の“匂わせ”が続きました。こうして期待させ続けて、私たちがファンクラブを退会しないようにしているのかなって……。そうすれば、会社には莫大な会費が入り続けますし……」(嵐ファンの女性)
嵐メンバーによる絆アピールは年間120億円ともいわれるファンクラブ会費目当て、つまり金のため――そんな指摘だが、記事はその後、二宮の独立や松潤との確執から大きく離れ、今後事務所の社名変更や新会社設立などの手続きで、どのくらいお金がかかるかに移っていくのだ。それも行政書士という専門家に解説までさせて、かなり細かく。
なんだ、それ。二宮と松潤の確執はどうなった? 読者や嵐ファンはそんな手続き費用のことなど知りたくないのでは? あまりにも中途半端で何を言いたいのか不明な「週女」の特集記事だ。
二宮独立は嵐を守るため!? 支離滅裂な論を展開する「女性自身」
そして性加害問題勃発から現在まで迷走を続ける「女性自身」だが、二宮独立に関してもかなり無理くりな論理を展開している。それが“二宮独立は嵐を守るため”というもの。どういうことなのか。記事によると以下のようになる。
活動休止中で性加害問題に見舞われた嵐の面々は不安な思いを抱いている→危惧するのは“嵐の存続”だ→加えて新事務所とのエージェント契約についてメンバー間の意見が割れている→そして鍵を握るのが、芸能活動から距離を置き宮古島で暮らすリーダー・大野の存在だ→大野が率先して退所、独立となれば嵐がなくなってしまう→そんなことをさせないよう大野の不安を取り除くため、二宮が最初に独立した――。
うん? 全然わからない。理解できない。
さらに、最初に結婚した二宮に続くように櫻井と相葉も結婚した、よって二宮は今回の独立も自分が試金石になるという思いがあったとして、記事はこう結論付けられる。
「二宮さんが最初に“中居流”で独立すれば。ほかの4人の選択を問わず、嵐の活動再開への道が途絶えることはないと考えたのでしょう」
中居流とは独立後も事務所との関係を残すことだが、しかし二宮はそんなこと言っていないし、記事にも「二宮さんがそれに応じる可能性は低いでしょう」と書かれている。もう支離滅裂だ。タイトルにあるように新ジャニーズ(この言葉もどうかと思うが)が混迷なら、御用マスコミも混迷している。寄生主が迷走すると、寄生虫も方向を見失う――。
中森明菜の復帰が順調にいかないワケ
そんな旧ジャニーズとは因縁浅からぬ関係の中森明菜。現在の明菜を取り巻く状況は、 “ジャニーズの長男“といわれ女帝のメリー喜多川氏の寵愛を一身に受けた、近藤真彦との交際・破局が大きな要因のひとつだからね。
そんな明菜の完全復帰・待望論は本当に根強い。本人が表舞台に姿を表さないのに、これほど頻繁に芸能マスコミが取り上げるのも、その証左だろう。そんな明菜について、今週の「週刊女性」が記事にしている。11月8日に発売される作曲家の林哲司氏のデビュー50周年記念アルバムに、明菜が新たにレコーディングした「北ウイング-CLASSIC-」が収録されていること、高額カレンダーの制作やファンイベントも行われたことなど近況が紹介されるが、記事のメインは明菜の過去の事件についてだ。語るは明菜の育ての親ともいわれる音楽プロデューサーの島田雄三氏。
島田氏の告白は、いろいろな示唆に富んでいる。1994年、レコーディングのため明菜とニューヨークに向かう予定の島田氏だったが、危惧したとおり明菜は空港に来ない。原因は“歯痛”。仕方なく先にニューヨークに向かった島田氏だが、その後も明菜は来ない。そして帰国した島田氏に電話で泣きじゃくりながら謝る明菜。さらに、後日再びニューヨークでのレコーディングに臨んだ明菜だが、その前日、高熱で救急車で運ばれる事態に。
明菜がトラブルメーカーで関係者やスタッフが振り回されるというのは、あまりに有名だが、こうして改めて側近だった人間の証言を聞くと、復帰が順調にいかないのも納得する。まだまだ前途多難、大変だ。
米倉涼子と恋人のツーショット写真の気になる点
米倉涼子が極秘で『ドクターX ~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)最新作の撮影をスタートさせたらしい。続編の公式発表はないが、「女性自身」はロケ現場を複数回目撃しているという。めでたい。それだけではなく「自身」は、10月下旬に恋人と犬の散歩をする米倉の姿をキャッチし撮影に成功、誌面に掲載している。恋人との関係も順調のようだ。めでたい。だがこの恋人とのツーショット写真、2人とも正面をガン見しているような不自然さが――。気のせい!?