邦画実写が強い!

『ミステリと言う勿れ』V5、ジブリは1週で陥落――2023年「連続1位記録」映画ランキング

2023/10/28 15:00
サイゾーウーマン編集部
菅田将暉の画像
Getty Imagesより

 10月23日発表の全国週末興行成績に基づく映画ランキング(興行通信社調べ、以下同)で、アニメ映画『ONE PIECE FILM RED』(2022年8月公開)が1位を獲得。今年1月に終映した同作だが、今月20日から期間限定でアンコール上映を開始。これにより、前週まで5週連続1位を記録していた菅田将暉主演『ミステリと言う勿れ』は2位にランクダウンした。

「とはいえ、邦画で5週連続1位に輝いたのは、21年公開の『花束みたいな恋をした』(菅田と有村架純のダブル主演)以来の快挙。同作は6週連続1位を達成しており、その記録には並べなかったと報じるメディアもありますが、23年公開の映画における連続1位記録は、現時点で『ミステリと言う勿れ』の“V5”がトップです」(映画誌ライター)

 この映画は漫画家・田村由美氏が「月刊フラワーズ」(小学館)で連載中の同題作品が原作で、22年1月期にフジテレビ系「月9」枠にて連続ドラマ版が放送された。主人公の大学生・久能整(菅田)がさまざまな事件の謎を解いていくという内容で、映画は今年9月15日に公開を開始し、今月22日までに累計興行収入40億円を突破したと伝えられている。

2023年日本公開映画「連続1位記録」ランキング第2位は『キングダム』最新作

「今年公開された映画のうち、連続1位記録で『ミステリと言う勿れ』に次ぐ成績を残しているのは、山崎賢人主演の『キングダム 運命の炎』(7月28日公開)。漫画家・原泰久氏が『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載している同題作を元にした実写シリーズの最新作です。公開から31日間で興収45.9億円を突破するという勢いを見せつけたものの、ランキング1位は4週連続までで途絶えました」(同)

 一方、今年公開の話題作といえば『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(4月28日公開)が挙げられる。任天堂の人気ゲーム『スーパーマリオ』シリーズを原作に、同社と『ミニオンズ』シリーズなどで知られるイルミネーションが共同制作したこの映画は、初めに3週連続1位を獲得し、一旦ハリウッド映画『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』(5月19日公開、以下『ワイスピ』)に首位を奪われた。


「その翌週に返り咲き、2週連続1位をマーク。もし『ワイスピ』に1位を奪われていなければ、『ミステリと言う勿れ』を上回る“V6”を達成できていたかもしれません。また、『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(3月3日公開)も、まず2週連続1位を獲得したのち、首位から転落したものの、その後また3週連続1位に。つまり同作もV6の可能性があったわけです」(同)

ジブリ新作『君たちはどう生きるか』は1週で首位陥落

 また、今年は映画監督・宮崎駿氏による最新のスタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』(7月14日公開)も大きな注目を集めたが……。

「同作は事前のプロモーションを行わないという奇策に走り、あらすじやキャストを明かさないまま公開初日を迎えました。22年12月3日に公開したアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』も同様の手法を取って大ヒットしていたこともあり、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏は、同28日に都内で行われた『アニメージュとジブリ展』オープニングイベントで、『何も情報がないほうが、みなさん楽しみが増える』『「SLAM DUNK」もそうでしょう。勉強になった』などと語っていたそうです」(同)

 しかし、『THE FIRST SLAM DUNK』の原作(『SLAM DUNK』、集英社)は、誰もが知る大ヒットコミックだけに『君たちはどう生きるか』とは事情が異なる。実際、同作は公開初日にネット上で「ジブリの新作、今日からだって知らなかった」という声が寄せられたほど、情報を伏せすぎた。

「さらに、公開してもしばらくはパンフレットが販売されなかったこともあり“ネタバレ厳禁”の雰囲気が強く、その結果、1位に輝いたのは初週のみで、のちは徐々にランクダウン。宮崎氏が『君たちはどう生きるか』の前に手がけたジブリ映画『風立ちぬ』(13年7月20日)は8週連続1位に君臨していただけに、落差が大きくなってしまいました」(同)


 今年も残すところあと2カ月ほどとなったが、『ミステリと言う勿れ』より長く連続1位を記録する映画は生まれるだろうか。