なぜ占いは廃れないのか? 『突然ですが占ってもいいですか?』を見ていてわかったこと
なお、長谷川本人の弁によると、彼女は実際、我慢していたらしい。長谷川は、梨花の“物怖じせず、何でも言える明るい性格”がうらやましかったという。撮影の際、暑かったりカット数が多かったりで疲れてしまい、早く帰りたいと思っても、長谷川はそれを口に出してしまうと「わがままと思われるんじゃないか、怒られるんじゃないか」と思って我慢していたとのこと。しかし、梨花は「まぁだ?」と平気で言ってしまうそうだ。
このエピソードを明かすことで、梨花のイメージが下がるかもしれないことに配慮しないのが、長谷川の“らしさ”のような気がするが、恵まれている人もそうでもない人も、誰もがそれなりに我慢はしているものなので、やはり「あなたは我慢している」系の指摘は、万人に当てはまるといえるだろう。
ただし、誰にでも当てはまる指摘とは言っても、「あなたはわがままですね」のように相手の非をあげつらうような指摘はよろしくない。生きていれば誰でも味わうであろう、苦しみや悲しみを拡大して寄り添うこと――それが占いのポイントであり、そこを求める人が後を絶たないからこそ、占いは廃れないのではないか。
ちなみに占い師は、長谷川を「離婚する運命」としながらも、「努力して我慢するタイプ」とフォローしていた。彼女の恋愛遍歴を知る人は、たとえ離婚したとしても驚かないだろう。もし彼女が離婚すれば「離婚する運命」という占いは当たったことになるし、しなければ「努力して我慢した」となり、これまた占いは当たったことになる。やはり、テレビに出ている売れっ子占い師は「うまい」と思う。
そして同時に、長谷川には今のテレビに欠けているわがままキャラのイスに座ってほしいと感じた。離婚しようとしまいと構わない、長谷川が夫(もしくは元夫)の悪口を言ったり、過去の恋愛について語ったら、ネットニュースになることは確実で、身も蓋もなさすぎて逆に面白いと思う。テレビ局の皆さま、この逸材をどうぞお見逃しなく。