コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

中田敦彦は、なぜ粗品を味方と勘違いしたのか? 彼が「愛される悪役」になるために足りないもの

2023/06/08 21:00
仁科友里(ライター)

 お笑いコンビ・マヂカルラブリー・野田クリスタルは、中田の松本に対する一連の発言について、「(中田は)誰よりも(松本を)神格化してるのかなって思っちゃったんだけど」と語っていた。誰も傷つけない、いい答えだと思うが、私は、中田はお笑いに興味があるわけでもなく、松本本人に憧れているわけでもなく、ただ、人がひれ伏すブランドが欲しいだけなのではないかと感じる。

 一般人の間では、それは学歴とか年収だったりすることが多いが、お笑いの世界に身を置く中田の場合、賞レースのチャンピオンの座がそれに該当し、なぜ自分はそれが手に入らないのか、そうだ、審査員が同じ人だからいけないんだ、審査員が変われば俺だって認められるのに……というふうに、“逆走”したのではないだろうか。

 誇大妄想が止まらない、ブランドの有無によって人の上下を判断してしまう 、社交辞令などの暗黙の了解がわからないなどで、本気で悩んでいる人は、専門家に相談してみたらどうかと思う。ただ、中田の場合、その性質は芸能人として、メシのタネになり得るから、どんどん前に押し出せばいいのではないか。しかし、どんな人にも、味方は必要だ。家族を大事にして“帰る場所”を確保した上で、大暴れしていただきたいものだ。



仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2023/06/08 21:00
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