ヘンリー王子夫妻、ニューヨークでパパラッチと“カーチェイス”？　「話盛りすぎ」と大炎上のワケ

　ヘンリー王子とメーガン夫人と夫人の母親であるドリア・ラドランが、ニューヨークシティでパパラッチに執拗に追いかけられ、「大惨事になりかねない危険なカーチェイスを2時間以上にわたって繰り広げた」と夫妻の広報担当者が発表。「公人は世間から関心を持たれるものだが、誰かの安全を犠牲にするものであってはならない」と強い口調でパパラッチを非難した。

　ネット上では、「信号が多く頻繁に渋滞しているニューヨークでは、現実的に何時間もカーチェイスをすることは不可能」「世間に注目してほしくて見え透いた嘘をつき、大騒ぎして見苦しいにもほどがある」とたちまち大炎上。一方、ヘンリー王子夫妻のファンは、「ダイアナ元妃の暗殺を指示した英王室が、今度はヘンリー王子夫妻を殺そうとしている！」「このままだと本当に危険！」と王室陰謀論を唱え出し、SNSはカオスな状態になっている。

　英紙「インディペンデント」によると、　問題の”カーチェイス”は、現地5月16日の夜10時頃に発生。ニューヨーク141ウエスト54丁目に位置するジーグフェルド・ボールルームで開催された授賞式で、「ウィメン・オブ・ビジョン」賞を受け取ったメーガン夫人と同行者のヘンリー王子、ドリアの3人が式後、笑顔を振りまきながら会場から出て来て乗り込んだSUVがパパラッチに追われたとのこと。

　王子夫妻の広報担当者は翌日、「（パパラッチに追われた結果）ほかのドライバーや歩行者、ニューヨーク市警の警官2人を巻き込んだ衝突事故未遂が何度も起きた」と主張する声明を発表し、パパラッチを非難した。

　米「TMZ」は第一報で、パパラッチは赤信号無視して一歩通行道路を逆走しながら王子夫妻らが乗った車を追いかけたと報じた。ガラスにフィルムを貼った車が6台も彼らの後を追いかけたという報道も流れ、米「NBCニュース」は、警察の情報筋の話として、「王子夫妻の車はマンハッタンを走る高速道路FDRドライブを75分間にわたりパパラッチに追いかけ回された」と伝えた。

　困った王子夫妻は会場から約2キロ離れた警察署（19分署）に駆け込み、そこで15分間待機。もう安全だと確認できた11時頃、今度はたまたま警察署の近くに停まっていたタクシーに乗り移動を開始。タクシーの運転手は複数のメディアの取材に対して、「パパラッチはずっとついてきたけど、危険は感じなかった。カーチェイスというものではなかったし。（王子たちは）無言で怯えているように見えたけど、ニューヨークは安全だからね」と証言している。

　運転手によると、しばらくするとセキュリティが後方からついてくる2台の車を警戒し始めたそうで、タクシーは10分で警察署に戻ったとのこと。運賃は17ドル（約2,,300円）で、50ドル（約6,900円）もチップをくれたと喜んでいた。「TMZ」はタクシーがライトを点滅させたニューヨーク市警のパトカーにエスコートされているビデオを公開。停止しているタクシーに向かってフラッシュをたくパパラッチが何人か映っていたが、強引に撮影しているという印象はなかった。

　警察署に戻った王子たちは車を乗り換え、その後、無事に滞在先に戻ったとのこと。夫婦のセキュリティチームの男性は、米CNNの取材に対して、「こんなカオスな経験はしたことがない」「たくさんの車、スクーター、バイクに追いかけられた」とし、「パパラッチは無謀運転をし、王子らが乗っているリムジンの前をブロックして写真を撮り始めるということもした」と証言。すさまじいカーチェイスだったと強調した。

　「カーチェイス」とは、文字通り自動車同士で行われる追跡であり、猛スピードで壮烈に繰り広げられているというイメージがある。今回、夫妻の広報担当者は「大惨事になりかねないカーチェイス」と発表したため、多くの人が1997年にパリで猛スピードで追いかけてくるパパラッチを振り切ろうとした末に起こった交通事故により亡くなったダイアナ元妃の事故を連想し、「恐ろしい」と王子夫妻に同情した。

　しかし、ネット上にニューヨークの住民や住んだことがある人たちから「交通量が多く渋滞しがちで、おまけに信号ばかりあるニューヨークシティでカーチェイスを2時間以上することは不可能」という声が次々と書き込まれると、「ヘンリー王子夫妻は世間から注目してほしくて大騒ぎしている」と批判する声が続出。

　なお、移動の際に警護を支援したニューヨーク市警が、「多くのパパラッチがおりスムーズに移動はできなかったが、夫妻は無事目的地に到着。衝突事故も負傷者もなく、逮捕者も出ていない」と発表。「パパラッチは無謀で無責任」だと批判したニューヨーク市長も、「2時間以上カーチェイスをしていたとは信じがたい。ニューヨークの交通事情を考えると10分のカーチェイスであっても大変危険なことで大問題だが」とコメントすると、「この夫婦って本当に話を盛りすぎるんだよね。だから信用できなくなる」「広報も調べたらすぐ嘘だとわかるようなこんな発表して無能にもほどがある」と、ネット上はたちまち大炎上した。

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