仁科友里「女のための有名人深読み週報」

ベッキーはいつ許されるのか? 過去の不倫イジリに笑顔で応じる彼女に思うこと

2023/05/11 21:00
仁科友里(ライター)

ハライチ・岩井は、渡辺謙にも不倫報道のことを尋ねるのか?

 不倫といえば、俳優・渡辺謙は女優・南果歩との結婚中に、ニューヨークで一般女性との手つなぎ不倫デートを「文春」に撮られた。南とは離婚したが、「女性セブン」23年1月19・26日号(小学館)によると、渡辺は報じられた一般女性と何年も同居しており、年内に再々婚する予定だそうだ。もし渡辺が番組にゲストで来たとしたら、岩井は「あの時」のことを尋ねるのか。おそらくしないだろう。日本を代表する俳優に、そんな失礼なことを聞くとは思えない。

 もし本当に不倫が悪とみなされ、その事実が露見した芸能人は一様にテレビの世界から消えるというのならわかりやすいが、実際のところ、ペナルティが科せられるか否かは“人による”といえる。

 渡辺は不倫がバレても特におとがめはなく、NHK大河ドラマ『西郷どん』に出演。しかし、女優・斉藤由貴は一般男性との不倫を「文春」に撮られたことで、同ドラマの出演を辞退している。 男性はペナルティが科せられない(もしくは軽い)が、女性は降板という重いペナルティを科せられ、 “反省している”姿を見せないと、世間に受け入れられない――芸能人の不倫にはそんな傾向があるのかもしれない。

 女性であるベッキーもまた、一時期活動を休止するというペナルティを負い、今もなお、当時の話をイジられる憂き目に遭っているわけだが、彼女の 場合、本人の振る舞いからしても、他人に“言われやすい”面があるような気がする。

 上述した通り、ベッキーはろくに睡眠が取れないようなスケジュールの時でも、「玄関開けたら、ベッキー」とスイッチをオンにし、元気に振る舞っていたという。本人は「無理もしていない」という認識だったと話していたが、テレビの彼女から、“空元気”“偽ポジティブ”を感じていた人は、私だけではあるまい。そして現在、過去の不倫を突かれても、笑顔で応じる彼女を見ると、やはり同じような印象を抱いてしまうのだ。


 ベッキーは「傷つきやすい」と自己分析するが、傷つきやすい人ほど傷ついていることを知られるのが恥ずかしく、本当はダメージを受けているのに、大丈夫なふりをしてしまうこともあるのではないだろうか。

 ベッキーが無理をして大丈夫なフリをしても、他人、特に仕事関係の人は彼女の繊細な心の内までは理解しようとしない。そのため、「不倫の話をしてもOKなんだ」とみなし、今後も番組に出るたび、昔の話が蒸し返され、彼女が傷つくという構図がエンドレスに続く可能性はゼロではないと思う。

 ベッキーは現在、「別に無理しているつもりはない」と思っているかもしれない。しかし、 無理しているかどうかは、その時にはわからないことが多い。精神的な消耗の解消には睡眠を取ることが効果的だという。小さいお子さんがいるので難しい部分もあるだろうが、ともかく睡眠を取り、心を休ませて いただきたいものだ。


仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2023/05/11 21:02
矢口真里もまだ許されていない