コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験で最難関私立合格! 即「鉄緑会」入りの生徒もいる中、落ちこぼれた息子
2023/04/22 16:00
「勉強はしたくないんですが、プライドだけは高いので、塾も学校も辞めたくはないんですよ。それで、ズルズルここまで来たんですが、本当にいよいよ、どうしようもないところまで追い詰められています」
通常、難関校では中2の秋あたりから、成績不振者に対して、やんわりと「このままでは、併設高校へは上げられない」というお達しが入る。そして中3の秋にははっきりと「最後通告」がなされることが多い。
拓也くんの場合、そのタイムリミットが半年後に近づいているというわけだ。
「拓也が改心して、劇的に赤点を回避する成績を取らない限りは放校処分決定です。高校受験対策もしていませんし、当然ですが、内申も出ませんから、公立高校受験には特に不利な状況で……。レベルを大幅に下げて私立高校を目指すという作戦もあるんですが、それも拓也が納得しない限りはどうしようもありません」
難関中学に合格した子の親が、「中1の1学期の成績を見て、想像以上に悪くてびっくり」というケースは散見される。よく「志望校合格はゴールではない」というが、中学受験で燃え尽きたかのように、勉強に対する意欲をなくしている場合も少なくない。
それにしても、中学受験戦争のまさに“戦場”の中にあって、親が子どもに「自主的に勉強をさせる」という難しさは、どのご家庭も痛感されているのではないだろうか。
中学生くらいから本格的に始まる思春期は、親も我が子に対する扱いに戸惑いを隠しきれない。今、あかねさんは「一体、何が悪かったのだろうか?」と自問しながら、眠れない日々を過ごしているという。
最終更新:2023/04/22 16:00