管理栄養士が、肉を食べたいときは「いきなりステーキ」と勧める理由とは?
――麺類はさすがに高カロリーだし、あんまり栄養をとれるイメージがないんですが、いかがでしょうか?
猪坂 麺類を食べたいときにおすすめのお店は、リンガーハットです! 理由はトッピングとして野菜がたくさん使われているメニューが多いから。ラーメンやパスタに比べて、野菜不足の解消にも一役買ってくれるチェーン店です。
おすすめのメニューはもちろん定番の「長崎ちゃんぽん」。1日にとるべき野菜の量は350gといわれていますが、このメニューにはその2/3以上にあたる255gもの野菜がトッピングされています。
注意点としては、スープをすべて飲むと塩分のとりすぎになってしまうこと。健康に気を使う場合は、基本的には具と麺をメインに食べ、スープは2~3口ほど味わう程度にしておくといいかもしれませんね。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(4)
米を食べたいときは「大戸屋」で!
――前々回の記事で、大戸屋のメニューの栄養バランスがいいという話をしましたが、やっぱり米を食べたいときは大戸屋がおすすめですか?
猪坂 もちろんです! 大戸屋に限らず米を食べたいときは定食屋さんがいいんですよ。主食(ご飯)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、キノコ、海藻、こんにゃく)の3つをバランスよく揃えることができるので、栄養バランスを整えつつ、お米も楽しむことができますから。
大戸屋のメニューで特におすすめなのが「おろしぽん酢の和風ハンバーグ定食」です。和風のハンバーグやきんぴらはご飯に合うメニューなので、お箸がどんどん進んじゃいます。
野菜も125gほどとれるので、1/3日分の量をきちんと補うことができますよ。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(5)
肉を食べたいときは「いきなりステーキ」で!
――最後はお肉を食べたいときにおすすめのチェーン店を教えてください。
猪坂 お肉を食べたいけれどヘルシーに済ませたい、そんなわがままを叶えてくれるのが「いきなりステーキ」です。
お肉はたんぱく質の供給源として重要な食材ですが、脂身の多いものをたくさん食べると、カロリーオーバーにつながってしまいます。そのため、脂質の少ない赤身肉であるヒレのステーキを手軽に味わえるステーキ店がおすすめなのです。
いきなりステーキでは「ヒレカットステーキ」というメニューがあります。やわらかいヒレ肉を、食べやすくカットした状態で提供してもらえるので、時間がないときのランチにさくっと食べることもできますよ。
付け合わせのブロッコリーやにんじん、コーンでビタミンやミネラル、食物繊維が補給できるという点もいいですね。
特にブロッコリーには、筋肉の合成を助ける働きのあるビタミンB6が豊富に含まれます。
ただし、正直これだけでは野菜が少ないので、セットでサラダもオーダーするとより栄養バランスがよくなりますよ。
今回は外食チェーン店をおすすめしてきましたが、外食の頻度が高くなるときに注意したい点としては、うっかりすると糖質や脂質、塩分のとりすぎにつながりやすいということ。
多くのお店では、万人においしいと思ってもらえるよう、味が濃くなっていたり、油をたっぷり使って料理していたりすることが多いので、家で作る料理よりカロリーなども高くなりがちです。
でもドレッシングやソースは使う量を少しだけにしたり、脂質の多い揚げ物やバラ肉などは食べる頻度を控えめにしたりといった工夫をすれば、外食続きでも健康を損なうことはないはずです。
おいしいお店はいっぱいあるので、栄養について少し意識しながら楽しんでみてくださいね。
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)
管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。
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