サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験と学級崩壊 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験組のストレスが招く「学級崩壊」の実態――小6母が明かす、いじめと担任の休職 2023/03/11 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム 中学受験組の子が授業を妨害「わかんないヤツはバカ」 「その頃には、もはや授業が成立しないような状態でした。先生が、問題の説明しようとしても、Mちゃんが『知ってる!』『わかんないヤツはバカ』みたいなことを言い出し、授業を妨害するんだそうです。便乗してはやし立てる子も出る始末で、娘も『授業にならない』と嘆いていました」 担任の先生はベテラン教師だというが、中学受験をする子たちへの“苦手意識”があるらしく、6年で担任を受け持った時点から、彼・彼女らを“迷惑な存在”という具合に扱っていたとのこと。その空気を敏感に感じ取ったMちゃんは、先生に反発。加えて、塾内の成績が上がらないというストレスが、Sちゃんへの“いじめ”や授業妨害という形で暴発してしまったようなのだ。 さすがに親たちも、学級崩壊状態を心配し、緊急保護者会を開いたそうだが、その前日から担任が休職。肝心のMちゃんの親御さんは保護者会を欠席した。貴子さんいわく、「なんとも無意味な保護者会だった」という。 「Mちゃんは困った子ですが、同時にかわいそうな気もします。ご両親は仕事でお忙しいらしく、Mちゃんは幼い頃から、習い事と塾でスケジュールがパンパン、放課後の遊びの輪にも加われない子として有名だったからです。お母さんはよくいえば、教育熱心。悪くいえば、教育産業に子育てを外注。Mちゃんは、寂しかったんじゃないかなぁって思ってしまいます」 そんな中、Mちゃんをはじめとした中学受験組はみな合格を果たし、新天地である中高一貫校に入学するらしい。 「それぞれのご家庭の判断だから、中学受験がいいとか悪いとかは言えないですが、Mちゃんたち中受組を見ていたら、我が家は『受験ナシ』にしてよかったと思っています。うちの子は小学校の6年間、目一杯遊んで、“子ども時間”を楽しんでいましたから(笑)。娘は、春から地元の中学に行きますが、仲の良い幼なじみたちとも一緒なので、心強いんじゃないかな。その代わり、高校受験がありますけど、ほとんど全員が受ける受験なので、皆と一緒に乗り越えられるはずって期待しています」 貴子さんはそう言いながら、「卒業を祝う会」で出す紅白饅頭の発注数に頭を悩ませているようだった。 中学受験の取材をしていると、中学受験組のストレスがいじめを誘発したり、学級崩壊を招いたりするケースを多く耳にする。 中学受験は、子どもがストレスフルな状況に置かれやすいということは事実。ゆえに親は、より一層、注意深く、我が子の様子を観察していなければならないと思う。 中学受験は親が主導する受験である。我が子の心身の健康を守ることができるのも、また親しかいないということを肝に銘じてほしいものだ。 中学受験、娘の不合格は「何もかも親のせい」――母が懺悔する“本命校前夜”の出来事とは? “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子...サイゾーウーマン2023.02.25 中学受験全落ちで公立に進学、難関大合格後も続く“悪夢”――彼が選んだ就職先とは? “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子...サイゾーウーマン2023.02.11 中学受験「第1志望校の不合格」を我が子にどう伝えるか? 合否発表でパニックになった母は、塾に電話を…… “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子...サイゾーウーマン2023.01.28 前のページ12 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。 記事一覧 湘南オバちゃんクラブ 最終更新:2023/03/11 16:00 貴重な小6の1年間が嫌な思い出になってしまうことが悲しい 関連記事 中学受験、娘の不合格は「何もかも親のせい」――母が懺悔する“本命校前夜”の出来事とは?中学受験全落ちで公立に進学、難関大合格後も続く“悪夢”――彼が選んだ就職先とは?中学受験「第1志望校の不合格」を我が子にどう伝えるか? 合否発表でパニックになった母は、塾に電話を……中学受験、憧れの第1志望に連続不合格――「入試の日に初めて行った」1月校に入学した親子の話中学受験、「最後の合不合」がトレンド入り――最終模試の結果で“第1志望を捨てた”母が「たられば」に苦しむワケ 次の記事 Netflix『ザ・クラウン』が描かない史実 >