コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験全落ちで公立に進学、難関大合格後も続く“悪夢”――彼が選んだ就職先とは?

2023/02/11 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

“中学受験業界への就職”

「僕のように、中学受験で迷子になってしまう子をなくしたいんです。不合格も悪いことばかりではない、その後を頑張るモチベーションにもなり得るというのは、僕が身を持って体験したことですが、こういう経験を語ることで、救える子もいるんじゃないかって思っています」

 まるで就職面接で志望動機を語るように、その思いを伝えてくれた英太君。最後に一言だけ、

「僕自身、この業界に身を置くことで“忘れ物”を取り戻せるんじゃないかって期待しています」

と付け足した。

 英太君が、彼の言う“忘れ物”を取り戻せることを祈るばかりだが、彼の話を聞いていて切なくなった。

 12歳はまだまだ子どもだ。中学受験では、親の言いなりになるしかない部分も相当大きい。けれど、頑張るのは子ども自身なのである。せめて、受験校は子どもと納得いく話し合いの末に決定してほしいものだ。思うような結果が出ないこともあろうが、その場合でも、子どもの頑張りを心から称え、ねぎらうことが大切だと思う。

 今年度の受験生には、英太君のような“忘れ物”をした子はいないことを願っている。



鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。

記事一覧

湘南オバちゃんクラブ

最終更新:2023/02/11 16:00
アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 幼馴染は一卵性の獣~スパダリ双子とトロトロ3人生活~
  2. 今宵あなたとひたむき淫ら
  3. 水着をズラした彼のアソコは超XL~更衣室で肉食獣みたいに攻められ乱れて入ります!?~
  4. ニセモノの恋なので溺愛はいりません
  5. アソコのサイズが見えるようになったのですが!?~通常サイズがほとんどなのに会社の隣の彼がXL!?~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト