コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験全落ちで公立に進学、難関大合格後も続く“悪夢”――彼が選んだ就職先とは?
2023/02/11 16:00
“中学受験業界への就職”
「僕のように、中学受験で迷子になってしまう子をなくしたいんです。不合格も悪いことばかりではない、その後を頑張るモチベーションにもなり得るというのは、僕が身を持って体験したことですが、こういう経験を語ることで、救える子もいるんじゃないかって思っています」
まるで就職面接で志望動機を語るように、その思いを伝えてくれた英太君。最後に一言だけ、
「僕自身、この業界に身を置くことで“忘れ物”を取り戻せるんじゃないかって期待しています」
と付け足した。
英太君が、彼の言う“忘れ物”を取り戻せることを祈るばかりだが、彼の話を聞いていて切なくなった。
12歳はまだまだ子どもだ。中学受験では、親の言いなりになるしかない部分も相当大きい。けれど、頑張るのは子ども自身なのである。せめて、受験校は子どもと納得いく話し合いの末に決定してほしいものだ。思うような結果が出ないこともあろうが、その場合でも、子どもの頑張りを心から称え、ねぎらうことが大切だと思う。
今年度の受験生には、英太君のような“忘れ物”をした子はいないことを願っている。
最終更新:2023/02/11 16:00