コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験「第1志望校の不合格」を我が子にどう伝えるか? 合否発表でパニックになった母は、塾に電話を……
2023/01/28 16:00
歩夢君は「室長の指令通りにしたまで。俺、あの人のことは信用してるから」と打ち明けてくれたそうだが、室長は受験直前、教え子たちにこんな教えを与えていたという。
「たとえ何が起ころうとも、自分が決めたスケジュールを粛々とこなすように。今、やるべきことをやれ。結局は、冷静な人間が勝利を手にする。以上」
麻衣子さんは、当時のことを「子どものほうが冷静でした。不合格でパニックになったのは親である私のほう」と振り返る。
「A中に合格できたのはもちろんうれしいですが、なにより、歩夢はこんなにも成長したんだなぁ、私よりも大人かもしれない……って実感できたことに喜びを感じたんです。良い師に巡り会えたことも、中学受験したからこそですし、不合格は人を強くするってことも学びました。受験生活はつらいことも多かったんですが、今では、受験させてよかったなぁって思います」
今年も、中学受験をめぐって、さまざまなドラマが展開されるだろう。3人に2人は第1志望校に落ちるという現実はあるにせよ、中学受験は子どもたちの人生にとって得難い体験を与えていると思う。
合否はどうしたって気になるだろうが、どのような結果が出るにしても、この受験本番の1週間、子どもたちが大きく成長するのは間違いない。親御さんには、それを間近で見つめながら、最後までお子さんに温かく寄り添っていてほしいと願っている。
最終更新:2023/01/28 16:00