大久保佳代子、バービー、イワクラ……今をときめく“女芸人”たちの気になるところ
現代のテレビ界で、ひときわ強い存在感を放つ存在――女芸人。バラエティ番組で、男芸人の陰に隠れていた時代も今は昔。誰よりも前に出て、笑いを取る女芸人の姿は珍しくなくなったように思える。今回、サイゾーウーマンで「女のための有名人深読み週報」を連載中のライター・仁科友里氏が、2022年に特に気になった女芸人ベスト3を発表する。
「今年は女子アナではなく、女芸人で」
編集部からそんな原稿依頼を受けたとき、驚くと同時に納得してしまった。ここ数年、私は毎年、年末になると、その年の「女子アナ」の言動を振り返るコラムを執筆していたが、今年はそのテーマが「女芸人」に変更になったのだ。確かに最近、女子アナ人気が下火になったように感じていたし、個人的にも心動かされる女子アナがいないと思っていた。それは彼女たちの資質がどうこうというより、時代の流れなのだと思う。
その代わりに台頭してきたのが、女芸人だ。漫才やネタをやるという芸人の本分を超え、今や女芸人は、バラエティ番組はもちろん、ドラマ、文筆の世界でも目覚ましい活躍を見せている。今回は、私の気になる女芸人ベスト3とその理由を挙げてみた。
【第1位】オアシズ・大久保佳代子
「小堺一機をエロい目で見ている」発言を生々しくしない話術
かつてNHKの朝ドラヒロインを選ぶとき、「誰にも嫌われないタイプであること」が選考基準の一つになっていると聞いたことがある。好き嫌いが分かれる個性派女優より、満遍なく誰からも嫌われない安定した好感度を誇る女優が好まれるそうだが、これを聞いて私の頭に浮かぶのが、オアシズ・大久保佳代子なのだ。
大久保サンはすごい。12月16日放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、大久保サンは司会のマツコ・デラックスとロケに出たのだが、やっぱり彼女は塩梅がいい。
大久保サンといえば「性欲が強いキャラ」として売っているものの、今のテレビでは話しにくい部分があるだろうし、視聴者が不快感を抱く可能性もある。だが、大久保サンに限っては、そんな心配をする必要はない。
番組で訪れたレストランは、大久保サンだけでなく小堺一機も行きつけだそうで、彼女は「(小堺さんを)エロい目で見ている」と明かす。これだけだと、今のテレビ界、今の視聴者にとっては、アウトな発言な気もするが、大久保サンはその理由として、小堺が誕生日に年齢分の薔薇を送ってくれたという「いい話」を披露したため、生々しさが中和されて“ちょうどよく”なっていた。
コンプライアンス、そして視聴者の目が厳しくなると、話題がおのずと限られてしまうものの、大久保さんの“中和”術があれば、どんな話題でも問題ない範囲に収めることができる。そんな彼女は、「誰にも嫌われない」稀有な存在といえるのではないだろうか。