佃野デボラのホメゴロシ!

千鳥、かまいたちら「お笑いエリート」を輩出! 関西の“なぜか長寿番組”トミーズの『せやねん!』をホメゴロス

2022/12/13 10:00
佃野デボラ(ライター)

千鳥やかまいたちを輩出した『せやねん!』は、さながら「職業訓練校」

 このように、かつては典型的な「強者にへつらい、弱者に威を張る」タイプだった雅。あれから幾年月、62歳となった今、まさか「何もできない」ことで「イジられ・愛されポジション」を築こうとしているとは、思いもよらなかった。

 そんな雅の新境地「お笑いガンジースタイル」を、このSP番組で知ることができた。さらに、これまで雅を大きく下回って「何もできない」と思われていた、「健ちゃんパウダー」(健の持ちギャグ。主に気の利いた返しが思い浮かばないときに使う。「これをふりかけられた者は必ずスベる」という効能がある)しか武器のない健が、逆に雅よりも面白いのではないかという気づき。レギュラー入りした時点では鳴かず飛ばずだった千鳥やかまいたちは、『せやねん!』でこの「何もできない」トミーズをお笑い的に成立させるという「超高等技術」を訓練してきたからこそ、現在の地位があるということ。さながら「職業訓練校」のような『せやねん!』、これはすごい番組なのかもしれない。

 最後に、さんまの出演コーナーと並んで“目玉”とされていた「健からの感謝の手紙で、雅は泣くのかい、泣かないのかい、どっちなんだい」のコーナー。「泣くのか、泣かないのか」を視聴者にリアルタイム投票までさせて盛り上げ、健が手紙を読む準備に入るCM前に、仕切りのたむらけんじから「どっちだと思う?」と振られたスマイルのウーイェイよしたかが「……どっちでもいい」と答えた瞬間が、一番笑った。



佃野デボラ(ライター)

佃野デボラ(ライター)

ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。

最終更新:2022/12/13 10:00
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