千鳥、かまいたちら「お笑いエリート」を輩出! 関西の“なぜか長寿番組”トミーズの『せやねん!』をホメゴロス
そんな『せやねん!』が、去る12月3日に、『せやねん! 特別編 お初やねん7時間30分SP』と題して、スペシャル番組を放送したと聞き、「トミーズ雅ウォッチャー」を自称する筆者は、映像を取り寄せて見てみた。
来年で結成40年を迎えるトミーズを祝い、当SP番組には明石家さんまがゲスト出演、さらに、売れてこの番組を巣立っていった千鳥、かまいたち、ミキが出演した。まず、千鳥、かまいたちを迎えてのそれぞれのトークコーナー。一応トミーズが「ホスト役」であるからして、それなりの振る舞いがあってしかるべきなのだが、やはり「何もしない」。これは「芸人として」何もしない、という意味だ。トミーズ発信の「笑い」がひとつとして存在しない。存在しないどころか、笑いのセオリーさえも理解していない様子だ。このレベルの「お笑いガンジースタイル」は、前代未聞だ。吉本の「お笑い年金受給者」西川きよしでさえ、もう少し「笑い」に対して能動的といえるだろう。
健が、千鳥・大悟から「フリ」「ボケ」「のっかり」「ツッコミ」のルールを一から説かれるという、およそ芸歴40年の芸人とは信じ難い瞬間があったが、これは逆に面白かった。そして何といっても、千鳥の懐柔術である。「先輩の懐に入って、怒られないぎりぎりのところまでイジる」「そのうえ可愛がられる」という、高等テクニックにあらためて感心した。そりゃ売れるわ。
しかし当のトミーズ、特に雅はというと、「ただ昔話をしに来たおじいちゃん」「過去の栄光を部下に言って聞かせるおっさん」「『大悟と濱家(かまいたち)にはよ〜う金貸したなあ〜』bot」でしかなかった。いやはや、すごい。雅の「おもんなさ」ときたら、「大阪時代の千鳥がよくロケをしていた京橋あたりで昼間から呑んでる一般人のおっちゃんのほうがよっぽど面白いことを言うし、気の利いた『返し』をする」というレベルだ。
なにせ「(40歳にして)『24時間テレビ』(2000年、日本テレビ系)で(チャリティー)ランナーをやって、武道館に帰ってきた瞬間『ここまで登りつめた。東京でやり残したことはない』と思った」と得意満面で語った瞬間が、雅のトークのピークだったのだ。