サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」杉田水脈氏、戦略の「限界」 コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 杉田水脈氏は“オジサン”の操り人形である――「ともかく目立つ」「弱い者を叩く」政治家としての処世術が限界のワケ 2022/12/09 12:30 仁科友里(ライター) 女のための有名人深読み週報 杉田水脈氏の言う「生産性」がある人とは? 同性愛者は子どもを作らないから、生産性がないという杉田氏の発言の裏には、「少子化はよろしくない」という発想があるのだろう。確かに子どもを生まなければ、労働人口が減り、社会は立ち行かなくなるかもしれないし、今の年金制度が破綻することは目に見えている(しかし、これもおかしな話だ。少子化の原因には、賃金が上がらないことや、いまだに保育園が足りないことなどが挙げられ、その背景には、日本が超長時間労働を基本としていることも関係しているだろう。そう考えると、少子化は個人の問題というより、政治家が率先して解決すべき重要な課題といえ、国民を責めるのは、お門違いというものである)。 しかし、人口を増やすという観点でいうと、杉田氏自身も「生産性」に欠けているのではないだろうか。公式ウェブサイトによると、彼女にはお嬢さんが1人いるそうだが、彼女の主張を踏まえた場合、推計上3人以上生まなければ人口を増やすことにはならないので、「生産性がない」ことになる。 3人産んだからといって、終わりではない。「生産性」を追及するならば、生まれてきた子どもたちには、立派な就労・納税者になってもらわねばならないだろう。その考えに立つと、生まれつき障害のある人、不慮の病気や事故にあって働けなくなった人、人間関係のトラブルなどからひきこもった人などは「生産性」がないとされる存在になる。 子どもを3人以上持ち、その子たちに立派な教育をつけさせ、世に送り出す。さらに子どもたち自身も、ずっと健康体で働き、納税を行う――これで初めて「生産性がある」とするのなら、杉田氏だけではなく、ほとんどの日本人は「生産性」がないのではないだろうか。彼女を自民党にスカウトした大恩人の故・安倍晋三元首相も子どもがいないわけだから、「生産性」がないことになってしまう。 大恩人を侮辱し、自分自身とて「生産性がない」と言われかねないのに、なぜ彼女は文章という残る形で、「生産性」について言及してしまったのか。それは「生産性」発言が彼女の処世術だからだと思う。 次のページ 杉田水脈氏――世襲でもない、“すごいプロフィール”もない女性が政治家になる方法 前のページ1234次のページ Yahoo なでしこ復活 女性政治家ができること / 杉田水脈/著 関連記事 石橋貴明の「若い子とがんがんセックス」宣言に“老い”を指摘――「新しい大御所」研ナオコの秀逸さ『ワイドナショー』武田鉄矢を「老害」から「いじってもいい人」に味変させた野沢直子のスゴ技『笑点』を自主降板――二代目・林家三平は、「面白くないまま」大喜利を続ければよかったと思うワケ西野亮廣がエンタメ界で売れるワケ――後輩芸人に小バカにされる隙と「現実的すぎない」トーク小室圭さんの「内面」を持ち上げ、眞子さんは「見る目がある」と称賛――司法試験合格への著名人コメントに違和感を覚えるワケ