サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」杉田水脈氏、戦略の「限界」 コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 杉田水脈氏は“オジサン”の操り人形である――「ともかく目立つ」「弱い者を叩く」政治家としての処世術が限界のワケ 2022/12/09 12:30 仁科友里(ライター) 女のための有名人深読み週報 杉田水脈氏、“オジサン”の代弁者になる作戦の限界 杉田氏は過去に非公開の党の会議で、女性への性暴力をめぐる相談事業に関し、「女性はいくらでもウソをつける」と発言して、問題になったことがある。杉田氏にもお嬢さんがいて、性暴力に遭う可能性がまったくないわけではないのに、なぜこんなことが言えるかというと、“オジサン”の機嫌を取るために発言することが習い性になっているからのように思う。 個人的な話をして恐縮だが、私は過去、ゴリゴリの男尊女卑企業に勤務しており、そこには「若い女性に、若くない女性の悪口を言わせたがる“オジサン”」が存在した。例えば、若い女性社員が、独身の先輩女性社員について「ああいうふうにはなりたくないです」などと言うと、手を叩いて喜ぶ“オジサン”がいたのである。彼らは、自身への糾弾を避けるため、自ら若くない女性の悪口を言うことはないが、若い女性に代弁させて「そうだそうだ!」と同調し、溜飲を下げていたわけだ。 多様性の時代といわれる昨今。しかし、それはネット上、もしくは都市部の話であり、ちょっと都会を離れたら、「同性愛者を受け入れたくない」「未婚者や子どものいない者は、人として何かが欠けている」と思っている“オジサン”は確実に一定数いるだろう。これは、自身の優位性を脅かす女性や少数派台頭を疎ましく思うからだろうが、多くの“オジサン”は、自分の信用に関わるため、それを表立って口に出せない――そんな彼らの代弁者が、まさに杉田氏だったのではないか。 支持団体がつけば、選挙に当選しやすくなる。当選回数が増えれば、要職に就くことができる。総務大臣政務官となった杉田氏の“オジサン”を味方につける作戦は、成功だったといえ、ある意味、彼女はとても政治家向きなのだろう。しかし、この“オジサン”ウケする「ともかく目立つ」「弱い立場の者を叩く」作戦には限界がある。責任あるポジションに就くと、「人権感覚に問題がある」とみなされ、このやり方が通用しなくなるのだ。 12月6日の参院予算委員会で、杉田氏は「私の過去の発言などに対する厳しいご指摘、ご批判について重く受け止めております。傷つかれた方々に謝罪し、そうした表現を取り消します」と述べた。 加えて、杉田氏に重く受け止めてほしいのは、“オジサン”にウケるための処世術として、女性や少数派の悪口を言っていたとしも、こういう大事な時に“オジサン”は彼女を守ってくれないことだ。綺麗ごとでは政治の世界を渡っていけないことくらいは承知しているが、彼女が“オジサン”の操り人形になった揚げ句、使い捨てられませんようにと思わずにいられない。 石橋貴明の「若い子とがんがんセックス」宣言に“老い”を指摘――「新しい大御所」研ナオコの秀逸さ私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 <今回の有名人> 「できるんだったら、やってきな」研ナオコ...サイゾーウーマン2022.12.01 『ワイドナショー』武田鉄矢を「老害」から「いじってもいい人」に味変させた野沢直子のスゴ技羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 ...サイゾーウーマン2022.11.17 『笑点』を自主降板――二代目・林家三平は、「面白くないまま」大喜利を続ければよかったと思うワケ羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 ...サイゾーウーマン2022.11.10 前のページ1234 仁科友里(ライター) 1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。 記事一覧 X:@_nishinayuri 最終更新:2022/12/09 12:30 Yahoo なでしこ復活 女性政治家ができること / 杉田水脈/著 なぜ「杉田水脈」が生まれたのかこそ考えるべき 関連記事 石橋貴明の「若い子とがんがんセックス」宣言に“老い”を指摘――「新しい大御所」研ナオコの秀逸さ『ワイドナショー』武田鉄矢を「老害」から「いじってもいい人」に味変させた野沢直子のスゴ技『笑点』を自主降板――二代目・林家三平は、「面白くないまま」大喜利を続ければよかったと思うワケ西野亮廣がエンタメ界で売れるワケ――後輩芸人に小バカにされる隙と「現実的すぎない」トーク小室圭さんの「内面」を持ち上げ、眞子さんは「見る目がある」と称賛――司法試験合格への著名人コメントに違和感を覚えるワケ 次の記事 キンプリをDA PUMPらが絶賛 >