『ねほりんぱほりん』シーズン7レビュー

『ねほりんぱほりん』ある手配師、ガーシーが霞む“がっつり犯罪者”なお仕事事情【2022年シーズン7】

2022/11/07 11:55
加古りえ(ライター)

『ねほりんぱほりん』ある手配師、薬物の運び屋はパチンコ屋で調達

 薬物の運び屋を手配する仕方も興味深かった。「普通に日本で面接というか、探しに行く」そうで、マサヒコさんが目をつけるのはパチンコ屋さん。負けてお金降ろして……を繰り返している人を発見すると、「どうっすか?」「飯でもどうすか、自分勝ってるんで」と、さりげなく面接へ移行。

 仕事の話の流れで、「手伝ってもらえたりします?」「ちょっと行ってくれたら50万円くらい払えるんだけど」と持ちかけるのだとか。「すぐ乗ってくれたら合格。そこで考える人間はもう面接落ちです」「即答のみ(合格)」だそうだ。パパ友にサウナにパチンコと、身近な場所で闇のスカウトは行われているらしい。

『ねほりんぱほりん』ある手配師、パパ友・タカちゃんとの絆が深い

 犯罪に手を染めながらも、当時の心境は「ワクワク」「根底にあるのは“楽しい”」だったという根っからの手配師に見えるマサヒコさんだが、一度逮捕され、刑務所に入った後に改心。出所後は「福祉の学校に通って国家資格を取って、今は知り合いのつてで、自分みたいな人が社会復帰したときの施設で働いてます」とのことで、更生したらしい。

 改心のきっかけは息子。「父子家庭で、長男はずっと自分が育ててきた」というが、「中学の卒業式の3日くらい前に捕まった」ため、卒業式に出られなかったそう。「子どもの成長の中で、その時しか見られないものがあるじゃないですか。そこが何年か欠落してるんですけど、もっと本当は子どもにいろいろしてやりたかった……」と、意外なほど真っ当な父性を見せた。そんなふうに思える普通の父親でも、闇の手配師になってしまう場合があるのか、と逆に怖い。

 なお、息子の卒業式は、「海外からシャブでも入れない?」と誘ってきたあのパパ友、タカちゃんが見届けてくれたというから驚く。「タカちゃんが息子の卒業式の準備とか全部してくれて。差し入れで(卒業式の)写真とか入れてくれて……」と、いい話風に語っていたが、そのタカちゃんが誘わなければ薬の密輸にまで手を染めずに済んだのでは?


 最後も「普通がいいのかなって今は(思ってますね)」「当たり前っていいんだなって――」と、深い話っぽく締めたマサヒコさん。タカちゃんとはその後もつながっているのか? タカちゃんも足を洗ったのか? と気になる点は山積みのままであった。


加古りえ(ライター)

加古りえ(ライター)

リアリティーショーを中心とするテレビウォッチャー。日本だけでなく海外の番組も熱心にウォッチ。リアリティーショー出演者のSNSをチェックするのが日課。

最終更新:2022/11/07 11:55
死なばもろとも
モチベーションは「必要とする人がいる」だそう