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映画業界のヤバさが露呈

Netflix映画『ブロンド』、マリリン・モンローの中絶シーンや胎児の描写が「最悪」と大炎上! 視聴者を“洗脳”と抗議活動も

2022/10/04 21:00
堀川樹里(ライター)
「すべてが徹頭徹尾ひどい」とまで酷評された映画の題材となったマリリン・モンロー(写真/Getty Imagesより)

 先月亡くなったエリザベス女王と同じ年に生まれたマリリン・モンロー。その悲劇的で波乱に満ちた36年の生涯をドラマチックに描いたNetflixのフィクション映画『ブロンド』が、9月28日に公開になったが、最高に胸くそ悪い映画だと非難が殺到している。

 21世紀最大の問題作となるだろうと叩かれている『ブロンド』は、マリリンより一回り年下の大御所小説家ジョイス・キャロル・オーツが2000年に出版した「マリリンが主人公のフィクション小説」を映像化した作品。監督と脚本は54歳のアンドリュー・ドミニクが務めた2時間47分の長編作だ。映画には小説にない描写も多く、事実には基づかない“伝記風フィクション”映画となっている。

 主役のアナ・デ・アルマスにマリリンが見事憑依していること、50年代を美しく再現したノスタルジックな映像など、予告を見た人からは「楽しみだ」という声が上がっていたが、米大手新聞のレビューは軒並み低評価。

 米最大の映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でも、評論家の評価は42%、観客の評価は32%とどちらも“Rotten =腐ってる”と評され、「捏造された虚構のマリリンを描くことで金もうけしようとする男たちの身勝手な欲望を形にした駄作」だと手厳しく批判されている。

 『ブロンド』を最後まで見た人の多くが、“死ぬ瞬間まで会ったこともない父親の愛を追い求め、男が自分を求めてくれるならどんな形でもそれを喜んで受け入れる、まさしく男性に愛を乞い続けた”というストーリー、そして“美しく、かよわく、権力のある男性から性的暴行を受けても文句を言わずけなげに振る舞う、自宅ではパンティーだけしかはかない女”というマリリンの描き方に嫌悪感を感じたようで、配信開始後まもなくして大炎上。

 Twitterには、「こんな不快な映画を見たのは初めて。映画製作者が残虐的なことをやりたい放題しまくった作品だ」「こんなに胸くそ悪い映画はない。気分が悪くなった」など、映画を見たことを後悔する声が次々と投稿されている。女性が男性の欲望対象として描かれている、典型的な「男性のまなざし」映画だと問題点を指摘するツイートも、多くの「いいね」を集めている。

 米大手紙「ニューヨーク・タイムズ」のレビューも辛らつに酷評。「不在の父親、母親からの虐待、 孤児院に入れられ里子に出され、貧困に苦しみ、価値のない映画の役を与えられたり、頭が悪いと見くびられたり、心の病や薬物乱用に苦しんだり、性的暴行を受けたり、(彼女を性的な目でしか見ない)ファン のなめ回すような視線」に苦しみ続けてきた、「屈辱と恐怖に満ちた36年の人生を耐えたマリリン」が、「彼女を食い物にする俗悪な最新“屍姦趣味的エンターテインメント”に苦しまずに済むことが、唯一の救いだ」と最大限に皮肉っている。

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