サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』聞く耳を持たない父の息子 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』聞く耳を持たない父の息子は……「話を聞いてくれる人 ~空っぽの僕が生きる意味~」 2022/09/12 18:40 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』強気な発言は自信の表れ? 客の話を淡々と聞く水野は、よい聞き手と思われるが、「え?」と疑問を抱いたシーンが後半にあった。自身の将来について番組スタッフから聞かれた際のやりとりを抜粋する。 「(夢は)ジャニーズデビューとか、コヤッキースタジオ(都市伝説情報を発信しているYouTubeチャンネル)に入るとか、YouTuberですね」 「(それに対し何かしているか、というスタッフの問いに対し)何もしてないですよ、あくまで、それは、小学生の夢みたいなものですけど」 別に水野はウケを狙って言った体ではない。水野は年齢を非公表としているが、大学卒業後メーカーで3年働き、2017年から聞き屋をはじめて5年とあり、見た目の雰囲気からも30歳くらいかとみられる。本当にジャニーズになりたい、というより、いわゆる世間的な「30にもなったら落ち着いて……」という風潮に反発したい気持ちの表れのように見えた。 この強気さは、水野のおそらくアラサーという年齢によるところもあると思う。この若さで自分のやっていることが評価されているのなら、発言も強気になるだろう。水野は著書『名古屋で見かける聞き屋の謎』(マーキュリー出版)もあり、今回『ザ・ノンフィクション』から取材された、というのも自信につながったはずだ。 『ザ・ノンフィクション』30歳のころは見えなかった“年齢”という要素 なお、「働かずに生きていく」の元祖的存在であり、シェアハウスのムーブメントを作った人でもあるphaについても過去にザ・ノンフィクションでは取り上げていたが、phaは40歳で11年運営してきたシェアハウスを解散している。 解散の原因について「年齢的なものもあるかもしれないですね。若いころは劣悪な環境で暮らしてること自体楽しかったりするけれど、だんだんただなんかキツくなってくる。飽きてくるというかしんどくなってくるみたいな」と話していた。 『ザ・ノンフィクション』有名ニートphaの後継者が抱く“不安と結婚”「好きなことだけして生きていく 後編~伝説のシェアハウス解散~」 NHKの金曜夜の人気ドキュメント番組『ドキュメント72時間』に対し、こちらも根強いファンを持つ日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。10月13日の...サイゾーウーマン2019.10.15 30歳のころはむしろ楽しめていたことが「中年の危機」を迎える40歳になると心境が変わってきて、きつくなってくる、というのは私自身42歳なのでよくわかる。ただこれは30歳のころにはわかりようもない感覚ではある。水野はどんな40歳になるのだろう。 次週の『ザ・ノンフィクション』は「ボクと父ちゃんの記憶2022前編~母の涙と父のいない家~」。50歳の時に、若年性アルツハイマー型認知症と診断された「父ちゃん」。認知症が悪化し、施設に入ったあとの家族の1年を見つめる。 前のページ12 石徹白未亜(ライター) 専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。 記事一覧 X:@zPvDKtu9XhnyIvl いとしろ堂 最終更新:2022/09/15 15:03 楽天 名古屋で見かける聞き屋の謎 ぜひ10年後も放送を 関連記事 『ザ・ノンフィクション』28歳、自分探しの旅の結末「彼女が旅に出る理由 ~すれ違う母と娘の行方~」『ザ・ノンフィクション』親への禍根とゴミ屋敷「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」『ザ・ノンフィクション』お父さんみたいにならないで、という母親の呪い「都会を捨てた若者たち 前編 ~27歳の迷い道~」『ザ・ノンフィクション』専業主婦希望の婚活で噴き出した本人の問題「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~後編」『ザ・ノンフィクション』男親の正論と女親の意地「奇跡の夏に輝いて ~ピュアにダンス 待寺家の18年~」 次の記事 トラジャ、インライで『AGT』を振り返る >