高橋真麻、TBS・宇賀神メグに「腹立ちましたよ」……今の時代に合う「女子アナの小競り合い」とは?
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の有名人>
「ちょっと、腹立ってます」高橋真麻
『人生最高レストラン』(9月3日、TBS系)
現在は、フリーアナウンサーの高橋真麻が、2004年にフジテレビに入局した時、「大変だろうなぁ」と思ったことをよく覚えている。父親は大物俳優・高橋英樹。この時点で、世間から「コネ入社だろう」と言われることは想像がついた。フジテレビは民間企業なので、コネ入社であっても問題はないが、女子アナのような人気の職種に「コネで入った」と思われると、「ズルをした」と批判する人が出てくるのは想像に難くない。
入社した真麻は『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)に出演し、英樹のいる前でとんねるずから熱湯をかけられ、一斗缶で殴られ、鼻フックをされたりしていた。これはフジテレビ側の「我々は彼女を特別扱いしていない」「英樹さんもこうして笑っているわけだから、いじめではない」というメッセージではないかと私は受け取った。ほかにも、お正月番組でほかの女子アナが振袖を着ているのに、真麻だけ顔が見えない着ぐるみを着用しているなど、フジによる笑えないイジリは続き、一方でネットでの「コネ」バッシングはやまず。彼女はどんどん痩せていった。
真麻はいろいろな番組で当時のことを振り返り、「『かわいい』って言われないなら、『細い』って言われたいと思ってしまった」「ラーメンも麺2本くらいしか食べられなかった」など、精神的に追い込まれ、食欲に異常をきたしていたことを告白している。
9月3日放送『人生最高レストラン』(TBS系)に出演した真麻によると、「(入社)2~3年目ぐらいの時に、私はもうホント『この日空いている女子アナなら誰でもいいですよ』っていう仕事しか来なくて……」と、仕事自体もうまくいっていなかったそうだ。
そのことを英樹に愚痴ったところ、「父が『誰がやってもいいって思われてる仕事こそ、一生懸命やりなさい』と。『そうしたら、最初は誰でもいいやって思っていたけど、真麻に頼んでよかったね。じゃあ、次も真麻に頼もうってなるから、耐えろ』と『乗り越える力を身につけなさい』って言われて」と明かしている。
スターと呼ばれる人も、その来歴を調べてみると下積みの時代を経験しているものだ。英樹のアドバイスは、もしかしたら自分の芸能生活の経験から生み出されたものだったのかもしれない。しかし、その後の真麻の活躍ぶりを見るに、英樹のアドバイス以上に、時代が彼女に味方したといえるだろう。