コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!
天皇の性教育にも用いられた“セックスマニュアル”? その刺激的な内容とは
2022/08/13 17:00
――まさに天皇のための性医学書といえるでしょうか?
堀江 そうですね、天皇には後宮(ハーレム)があるじゃないか、と思うかもしれませんが、普通は最初から多くの女性がそこにいるわけではないのです。人気と実力のある天皇だからこそ、「うちの娘も是非」というようなノリで側室は“献上”されてくるわけで……。
天皇家の場合は典侍など、女官の職種名で呼ばれ、側室とはいわないのですけど、今回はわかりやすさを取って、側室と呼びますね。高貴な生まれというだけでなく、実力者だと認められていなければ、側室の数もそろいません。また、そんな実力者になるには、それ相応の時間がかかっているはずです。
『医心方』「房内」には、女性に向けたアドバイスもあるにはあるのですが、基本的に多くの部分が「身体に不調が出てきたぞ」「その不調をセックスで治そう!」という年齢層の男性むけの記述となっています。
これらの理由を総合すると、やはりアラフォー前後、社会的にも成功し、多くの女性に囲まれた「男性更年期」あたりの権力者の男性が想定読者なんだろうなぁと私は考えます。
――なんだか10年ほど前に「週刊ポスト」(小学館)や「週刊現代」(講談社)がこぞって特集していた、“死ぬまでセックス”特集記事と似ているように思えてきました。次回から、『医心方』「房内」のめくるめく世界を検証していきたいと思います!
最終更新:2022/08/13 17:00