コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

天皇の性教育にも用いられた“セックスマニュアル”? その刺激的な内容とは

2022/08/13 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――たしかに、どんな内容なのかとっても興味があります。しかし、そんなにいろんなバージョンが?

堀江 私の手元にあるのは、昭和49年(1974年)に日輪閣という出版社からなぜだか「秘籍江戸文学選」の第6巻として刊行された本なのですが、筆者の山路閑古という化学者・江戸文学研究者にとって、2冊目の『医心方』「房内」部分の翻訳だそうです。「房内」が正式名称ですが、「房内篇」などと呼ばれることもありますね。

 昭和も後半に差し掛かる頃には「房内ブーム」が出版界には来ていたのだと思われます。今回用いた翻訳のいいところは、原文が掲載されている点でした。一読しましたが、実際問題として、この内容を性教育に使うのは難しそう……。

――それはなぜですか?

堀江 一晩に10人以上の女性と片っ端から交わっていきましょう、という内容がメインだからです(笑)。交わり方にもコツがあって、女性に何度も何度もエクスタシーの境地を味わせることが重要なのですが、男性は絶対に射精しちゃダメ! という鉄の掟まであるのです。

――お年頃の男子には刺激が強い内容ですね(笑)。10人以上の女性を侍らせることができるのは、それこそ天皇家周辺の身分の高い男性に限られるかもしれませんが。

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