サイゾーウーマンコラム片付けで見つけた義父の遺言に絶句 コラム 老いゆく親と、どう向き合う? 片付けで見つけた義父の遺言書に絶句――“執行人”の名前に「これどういうこと?」 2022/07/31 18:00 坂口鈴香(ライター) 老いゆく親と、どう向き合う? 遺言書の存在を義姉は知っている 確かに、これまで遠距離でありながら義父母のもとに通って、二人の様子を見ながら、介護サービスの手配をし、義父母の2人暮らしがこれ以上無理だと思えば、ホーム探しをしたり、義父の義母への暴力沙汰が起きると義母を別のホームに転居させたりと、奔走したのは義姉だ。 それでも夫は長男として、何かあるたびに話し合いもしたし、義姉の都合がつかないときは今のように真山さんや娘が通っている。コロナ前にはたびたび面会にも行った。まったく何もしなかったわけではない、と真山さんは言う。 「執行人に義姉の名前があるということは、義姉は遺言書の存在を知っているということですよね。私たちにはまったく知らされていません。そのことが遺言書の中身がどうなっているかを物語っていると思いました。娘もそう感じたから、写真を送ってきたんでしょう。なんだか、義姉の代わりに私や娘が職場に頭を下げて休みをもらって、高い交通費をかけて何往復もしているのか、むなしくなってしまって……」 遺言書の内容はわからない。それだけに、その執行人の名前だけでこれほど心が揺れるとは思わなかったし、そんな“小さい”自分に嫌悪感も抱いている、と自虐的に笑った。 こんなことなら、義父母の家を片づけたりしなければよかった。それとも、今のうちにわかってよかったと思うべきかもしれないとも思う。遺産に差をつけられているのなら、その心つもりで今後の遠距離介護を考えよう……。葛藤しながら、真山さんは今月も新幹線に乗っている。 <経験談を募集しています> 親の老化や介護にまつわる悩みや経験をお待ちしております。お聞かせいただいた話をもとに記事を作成いたします。こちらのフォームにご記入ください。(詳細は電話やSkypeなど通話アプリを利用しての取材) ※ご応募はこちら 認知症の母は壊れてなんかいない。本質があらわになっただけ【老いてゆく親と向き合う】“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける” ――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社) そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族...サイゾーウーマン2019.05.05老人ホーム、入居者の“愛人”疑惑の老女――高齢者は“清く正しい”ワケじゃない?【老いてゆく親と向き合う】“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける” ――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社) そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族...サイゾーウーマン2019.10.27 前のページ12 坂口鈴香(ライター) 終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終末ライター”。訪問した施設は100か所以上。 20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、 人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。 記事一覧 最終更新:2022/08/01 19:15 楽天 一番かんたん エンディングノート 見たくないものを見てから真の対応力が問われる…… 関連記事 教師だった義父は、肩書を取ったら何も残らなかった――趣味も友達もない老人ホームでの姿親の年金で暮らす兄は、認知症になった母を放置していた――「そんな金どこにあるんだ」老人ホーム、入居者の“愛人”疑惑の老女――高齢者は“清く正しい”ワケじゃない?【老いてゆく親と向き合う】「義母はかわいそうだった」夫と義母のダブル介護を背負った嫁の決断【老いてゆく親と向き合う】認知症の母は壊れてなんかいない。本質があらわになっただけ【老いてゆく親と向き合う】 次の記事 ZOZOで試着した服が「返送料無料」になる裏技 >