サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿小1で中学受験塾入塾、その後 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 赤ちゃんの頃から「中学受験するの?」……文教地区で小1から入塾、5年間頑張ったのに「息子が退塾したワケ」 2022/05/22 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム“中学受験”に見る親と子の姿 小1から「座席確保」で中学受験塾に 「もちろん、(小学校の)お受験を目指す人もたくさんいる地域なのですが、ウチは小学校くらいは公立でと思っていたので、お受験組のママたちとは自然と離れていったんです。でも、仲良しグループのママたちが、お子さんの小学校入学のタイミングで中学受験塾を検討しているということがわかり、正直、焦りました」 塾にも「キャパ」の問題があるため、座席数には限りがある。拠点校と称されるような人気の教室であると、小学4年生からの入塾では、すでに定員オーバーとなっているケースが多いために、座席確保の意味で、年々、入塾が早まっている傾向が見られるのだ。 「ウチも、漠然と中学受験はさせようとは思ってはいましたが、まさか小1から入塾とは、考えてもいませんでした。でも、当時は乗り遅れてはいけないって思いしかなかったです」 こうして小1から中学受験塾デビューを果たした雄飛君。4年生までは、成績上位のクラスをキープし、「毎日行きたい!」というほど、塾を気に入っていたそうだ。 「低学年は、学校の先取りと言えるほどの内容ではないですし、雄飛も楽しい習い事の一つのように捉えていたと思います。その頃は上位クラスだったのもあって、このまま続けられそうだなって思っていたんですよ。でも、新5年生になったあたりから、クラスが少しずつ下がっていって……」 これは「中学受験あるある」で、多くの受験生が陥りがちなケースだ。4年生までは基本的な内容を学習するので、問題を解く際、テキストの内容を何度も繰り返し覚えるという“技”が通用するのだが、5年生からは発展的内容に移るので、4年生までの基礎固め学習の上に「これはなぜ、そう解くのか?」などといった問題への理解や納得が必要になってくる。それゆえ「急に難しくなった」と感じる子は少なくないだろう。しかも、大抵の塾は授業の進みが早く、やるべき課題は大量なため、“ついていけなくなる”子が続出するのだ 「自分だけが、ズルズルとクラス落ちをしていく現状に、雄飛はすっかりやる気を失い、ついに5年生の秋あたりから『もう受験はしない!』って言うようになって……先日、ついに退塾してしまったんです」 どの段階の受験でもそうであるが、長期に塾に通ったからといって、成績が伸びていくものではないところが、難しい問題だ。 次のページ 5年間も頑張ってきたのに……中学受験をやめる選択に悩む 前のページ123次のページ 楽天 中学受験案内(2023年度用) 関連記事 いじめが原因で中学受験! 人生をガラリと変えた「偏差値40台」の中高一貫校とは中学受験で難関中学に落ちた息子が、「超難関」国立大学に合格できた意外な理由「中学受験は負担が大きい」からと小学校からエスカレーター式も大誤算! 我が子が“深海魚”に!?中学受験で習い事は辞めるべき? 両立させた息子が過労で入院、母親は「誘導を間違えた」!?中学受験で難関校に合格、将来安泰のはずが……東大合格発表日にモヤモヤする母親