有吉弘行、ざわちんの目標を“否定”する姿に思う「忘れる」ことの大切さ――気を使えるはずが「やっちゃった」一言
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の有名人>
「俺、忘れないから」有吉弘行
『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(5月1日放送、JFN系)
4月17日、研ナオコのYouTubeチャンネルで、研と演歌歌手・小林幸子の対談動画が配信された。今の飲食店にはだいたい個室があるという話から、2人は最近の芸能界についてトークを展開した。
2人が話したところによると、「今の子たちは上座とか下座を知らない」「マネジャーもわかっていない」ため、「大部屋があっても、新人が上座に座っている」のだそうだ。小林は「それをちょっとでも注意したりすると、『またいじわるされた』とか言われるんだよね。だから何も言えない」、研も「この年になると(注意するのが)面倒くさいんだよね」と同意していた。
傷つきやすい若者が増えたといわれる今、正当な注意をしたとしても、「いじめられた、パワハラだ」と受け止められる可能性がないとは言い切れない。それをネットに書かれたり、テレビやラジオで話されたりすると面倒くさいから、つい黙ってしまうということだろう。
研や小林だけでなく、テレビを見ていると、バラエティ界の大御所も、案外若手に気を使っていると感じることがある。
2019年10月29日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)内で、「後輩にちゃんと慕われている? 相思相愛ウラ取りグランプリ」という企画があった。ここで「お世話になっている先輩第1位」として多くの若手芸人が名前を挙げたのが、有吉弘行だった。
毒舌がウリの有吉だが、プライベートの席では若手に一切お説教をせず、その代わり、後輩が出た番組について「面白かった」とほめてくれるのだという。照れ隠しだろうか、その場で結果を聞いていた有吉は、「(お説教をして)嫌われるのが怖い」とも言っていたが、このやり方は今の時代に合っているのだろう。
しかし、「上手の手から水が漏る」ということわざがあるように、テレビやラジオの言動を聞いていると、有吉にもときどき「やっちゃったなぁ」と思うものがある。たとえば、5月1日放送のラジオ『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)で、“ものまねメイク”でブレークしたタレント・ざわちんに言及した時のことだ。