【薬剤師解説】春の「肌バリア機能」低下の対策法とは? 薏苡仁(よくいにん)など漢方活用法も解説
肌トラブルの予防や対策として、体の内側からアプローチすることもできます。肌トラブルは血液の巡りが悪くなることによって、全身に栄養が行き渡らないことが原因と考えられるからです。自然の生薬からなる漢方薬で血の巡りを改善し、肌トラブルを起こす体質や症状を改善することもできます。
漢方薬は、一般的に副作用が少ないといわれており、安心して使用しやすいです。自分に合った漢方を使用することで、体質の改善も期待でき、根本から症状を治すことにつながります。
肌にお悩みの方におすすめの漢方薬
薏苡仁(よくいにん)
ハトムギの皮を除いた種子からできており、肌のターンオーバー活性化にも効果が期待できます。また、体内の余分な水分や老廃物を排出する助けもしてくれるので、イボや肌のキメを整えるのにも有効です。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体力が中等度以上の方に向いています。のぼせ気味の方や顔が赤い方などに適し、体に溜まった余分な熱を取り除くことで、肌にも作用する漢方薬です。また、体の中に熱がこもることで起こる、痒みや湿疹などにも用いられますが、熱を冷まし、体を冷やす生薬で構成されているため、冷え性の人には向きません。
以上が肌に悩みを持つ方におすすめの漢方薬ですが、肌の状態やニキビ、アトピー、皮膚炎などの症状によって、適しているものは異なります。漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあるのです。
しかし、たくさんの漢方薬から、ご自分にあった漢方薬を見つけるのは大変ですよね。そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIが、あなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
4.美しい肌のため「自分自身のケア」を大切に
肌のケアというと、洗顔や化粧水、乳液などの外用品を思い浮かべますが、体質や食生活、睡眠やストレスなど、日常生活の基盤が深く関係しています。忙しい生活の中でも、バランスのよい食生活やストレスの軽減など、自分自身のケアを大切にしてみましょう。健康な生活が維持できてこそ、潤いのある美しい肌が映えるのです。
薬剤師・相田彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。