コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

阿佐ヶ谷姉妹は、今のテレビが求める条件をすべて満たす……「キラキラ」「攻撃性」のない笑いが求められるワケ

2022/03/31 21:00
仁科友里(ライター)

 3月18日深夜放送『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系)に出演した阿佐ヶ谷姉妹は、「好きなご挨拶ベスト3」というテーマを持ち込み、トークを展開した。この「好きな○○ベスト3」は阿佐ヶ谷姉妹の定番ネタだが、どギツい笑いに慣れてしまった人には、インパクトが足りないかもしれない。 
 
 阿佐ヶ谷姉妹が挙げた1位は、渡辺が「ありがとうございます」、木村が「いってきます」で、これも刺激があるとは言い難い。だが、こういうネタは誰も傷つけないし、好きなものを語っていると、自然と平和な空気が漂う。大爆笑を取るタイプではないが、これくらいの攻撃性のなさが、今のテレビには合っているように思った。

 阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子と木村美穂は、血のつながった姉妹ではない。2018年開催の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)で優勝し、売れっ子の仲間入りを果たした2人だが、『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)によると、2人はそれまで六畳一間で同居生活を送っており、プライバシーがないことで小競り合いを起こすこともあったという。

 晴れて売れっ子になり、別々に住むことにするが、2人はキラキラした港区を目指さない。もともと住んでいたアパートの隣の部屋が空いたことから、そこに引っ越し、お隣さんとなった。

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