コラム
オンナ万引きGメン日誌
「なんだかガラの悪い女ね……」74歳万引き犯にGメン怒りの展開! 高齢者夫婦の一部始終
2022/02/26 16:00
「あなた、自分が悪いことしたって、わかっていますか?」
「そんなの、わかっているわよ。どうもすみませんでした! お金払うから、いいでしょ。このくらいのことで、そんなに大騒ぎしないで。もう、わかったから」
もはや逆切れの状態で、私に背を向けてデスクに寄りかかった女は、とても万引きをして捕まった人とは思えぬ態度で居直っています。その場にいるみんなの口が、開いたまま塞がらない状況になると、その重苦しい空気に耐えかねたらしい旦那さんが言いました。
「おい、なんだその態度は! 本当に申し訳ありません。もっと強く止めていればよかった。ほら、お前も、ちゃんと謝れ」
「もう何度も謝ったわよ」
「なんで、そうなんだ。お前は!」
馬耳東風。旦那さんの言葉すら響かず、不遜な態度を取り続けた女は、警察に引き渡されても態度を変えません。あり得ない対応に苦慮した若い警察官は、共犯関係を理由に、逮捕も辞さないと脅してみせました。
しかしながら上役の係長は、明らかに面倒くさそうな顔で、人員不足を理由に消極的な姿勢を貫きます。
「前はないし、商品を買い取れるし、息子さんも迎えに来てくれるっていうからさ。今日は、厳重注意で済ませます。余計な時間とらせないし、それでいいでしょ?」
高齢者万引きの再犯率は、優に5割を超えています。たかが万引きだといわんばかりの警察対応では、現状を変えることにはならないでしょう。捕捉時の説諭は、再犯防止において非常に重要なことなのです。