サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」若槻千夏は、テレビの救世主!? コラム 仁科友里の「女のための有名人深読み週報」 日テレ『上田と女が吠える夜』に感じた、人を叩きすぎない配慮――若槻千夏の“塩梅”に感嘆したワケ 2022/01/13 21:00 仁科友里(ライター) 女のための有名人深読み週報 生き残るタレントは一味違うわ(C)サイゾーウーマン 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 <今週の有名人> 「それはできるよ、そのくらいはイケる」若槻千夏 『上田と女が吠える夜』(1月6日放送、日本テレビ系) 以前、『週刊さんまとマツコ』(TBS系)で、明石家さんまが「今の時代に『から騒ぎ』はできない」と話していたことがある。『から騒ぎ』とは、1994年から2011年まで放送されていた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)のことで、さんまと多数の一般人女性がテーマに沿った恋愛トークを展開するというものだった。元TBSアナウンサー・小林麻耶や女医タレント・西川史子ら、この番組から巣立ったタレントは多い。 確かにさんまの言う通り、今の時代にあの番組を放送するのは難しいだろう。若者が恋愛に興味を示さないといわれている時代に、恋愛をメインテーマに持ってくるのは得策と思えない。それに、『から騒ぎ』ではきれいな女性を前列に、個性の強い女性を一番後ろの列に座らせていたように私は感じた。フェミニズムの意識が高まる今の時代に同じようなことをしたら、「女性のルッキズムを推奨している!」とSNSで炎上する可能性もあるだろう。 また、トークの内容自体も、今の時代には批判を浴びそうなものばかりだった。バラエティ番組なので出演者の発言がすべて真実とは限らないが、男性に買ってもらったプレゼントの金額で女性としての価値をはかったり、好きな男性のために料理を頑張る、ベッドで男性を奉仕するといった発言は、フェミニズムの視点からはもちろん、ジェンダーフリーの時代にもそぐわないと批判が来るのではないか。 『恋のから騒ぎ』では、「私が忘れられないオトコ」とか「私が許せないオンナ」というように、トークテーマに性別が明記されることが多かった。これを今の時代に再現すると、たとえば女性出演者が自分の恋のライバルにあたる女性について悪く言った場合、「オンナによるオンナ叩き」と見なされたり、「“オンナは陰湿”という思い込みを持つように促している」という印象を持たれ、苦言が出る可能性は高い。こうした理由から、やはり「今の時代にはできない」番組といえるだろう。 しかし、「作り方」「やり方」次第では、こういう人の愚痴を言う番組は、まだまだイケるのではないかと思えてきた。1月6日放送の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)は、上記の難しさをうまくクリアしたように感じる。 次のページ 『上田と女が吠える夜』から感じた、人を叩きすぎない配慮 1234次のページ Yahoo マーボー豆腐は飲み物です。/若槻千夏 関連記事 松田聖子と神田沙也加さん、「原因探し」は必要か? 親子関係を掘り起こす意味のなさ宇垣美里、桑子真帆……女子アナには「ウラオモテ」が必要!? 2021年話題の女子アナを斬るベッキーが今、「周りを幸せにしたい」と言ってはいけない2つの理由――“いい子発言”が気になるワケギャル曽根の小倉優子に対する「やりすぎ」行動に思う、まじめで真逆な友人との距離感石田純一が叩かれるのは「飲み会に行く」からではない? 世間との溝がなかなか埋まらない理由