サイゾーウーマンコラム母の介護を妹に任せた兄の告白 コラム 老いゆく親と、どう向き合う? 「義弟から聞いてゾッとした」認知症の母の介護を妹夫婦に任せた兄、背筋が凍ったと話す事情 2022/01/23 18:00 坂口鈴香(ライター) 老いゆく親と、どう向き合う? 特急1本で母のホームに行ける 「妹は家を出て、一人娘が住んでいる大きな街に行き、そこで二人で暮らせるマンションを借りたらしい。その街から母の住むホームには特急1本で行ける、ということを義弟から聞いてゾッとしました」 つまりこういうことだ。石田さんの実家や真理さんの自宅のある町は、在来線の駅からさらにバスを乗り継がないといけない。その町や周辺にホームは多くはないが、まったくないわけではない。しかし、真理さんが選んだホームは特急列車が停まる大きな駅のすぐ近くにあった。真理さんは、娘の住む街から澄子さんのホームに通うことまで考えて選んでいたのだ。 「そういうことか、と義弟は腑に落ちたそうです。いやぁ、女ってコワいですねぇ」 石田さんは「女はコワい」と繰り返す。コロナ感染予防のため、ホームは今も県外からの面会者は受け付けていない。真理さんは住民票を移すことなく、娘と住む街から月に数回、特急列車に乗って澄子さんに会いに行っているらしい。 「だからコロナワクチンも自宅のある町で受けたそうです。その間は空き家になった実家で過ごしていたというので、また変な汗をかきました。妹の読みの深さ、冷静さがとにかくコワい……」 石田さんは、問わず語りに続けた。 次のページ 「妹の好きにさせてやりたいと思う」 前のページ123次のページ 楽天 32歳。いきなり介護がやってきた。 関連記事 仲良し姉妹の「3世帯同居」、母の介護も「妹と協力していけば大丈夫」と思っていたが……「わが母ながら立派」と思っていたが……同居する弟夫婦は「他人以下」、父の介護に一人で取り組む心情は聞くに聞けない「女ってコワいね」妹に認知症の親を任せた兄、「たった半年でホームなんて」と話すわけ嫁はフィリピン人。「ダイジョーブよ、母ちゃん」認知症の義母の失敗も笑い飛ばす、まるでコメディアン弟を溺愛する母から「もう二度と会いたくない」と怒鳴られても……毎週、実家に通う理由