【お悩み相談】娘に「親ガチャ失敗した」と言われショック！　プウ美ねえさんが母親に「スルー」を進めるワケ

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

＜今回のお悩み＞
「娘に“親ガチャ失敗した”と言われてショック……」

　プウ美ねえさん、聞いてください。うちは5人家族なんですが、先日、中学2年生の長女が「親ガチャ失敗した」とSNSで友達と会話しているのを目にしてしまいました。

　娘は私がSNSを見ていることを知らないので、きっと本心なんだろうし、とてもショックで……。日頃、私や夫に不満をぶつけてくることもなく、妹と弟の面倒も見てくれるし、反抗的な態度を取ることもなかっただけに、どうしてあげたらいいのかと悩んでいます。

　夫には「反抗期が来たんだよ」と、スルーしてあげることを提案されましたが、それだと娘のためにならないような気がするし、私にもモヤモヤした気持ちが残ります。

　見なかったことにするべきか、親子でゆっくり話をする時間を設けるべきか、プウ美ねえさんのご意見をうかがいたいです。
（43歳、あっこママ）

【プウ美ねえさんの回答】
　「こっそりSNSのぞいたんだけど、うちのどこが親ガチャ失敗か、ゆっくり話さない？」とためしに聞いてごらんなさい。まちがいなく「そういうとこだよ!!」と言われるでしょう。お嬢様の真意はわかりません。親ガチャという言葉を使いたかっただけかもしれないし、友達に対して謙遜してみたかったのかもしれません。もしくは、きょうだいの面倒を見るのが当たり前になっていることや、いい子という決めつけに不満があるのかもしれません。

　気になるのは「スルーは娘のためにならないような気がする」というお言葉です。もしも「家族に不満などあってはならない、すべて合理的に解消すべき」と考えておられるなら本物のガチャ失敗親です。家族間の軋轢は、社会に出る前のたいせつな訓練です。他人にどこまで意見をぶつけていいか、なにを言ったらまずいか、身近な人間でのシミュレーションが必要なのです。成長を喜び、ロールプレイだとおもって親子ゲンカを楽しんではいかがでしょうか。

　おねえさんもたくさん練習させてもらいました。あるとき母が姉に小言をいい、はげしい口論になったことがありました。それまで和やかだった家がピリピリして悲しかったので、小学生だったおねえさんは「お母さんがいると家の中が暗くなっちゃうな～」と冗談めかして言ってみました。効果はバツグンで家は静まりかえりましたが、なぜかおねえさんは全家族から総スカンをくらい朝まで玄関の外においだされたものです。

　そのご数週間にわたり母から「あれは本心だったの？」とねちねち聞かれました（もちろん本心です）。おかげで、声にのせて発すると厄介な言葉があると学べたのです。

【今月のエプロンメモ】
　人は心の中でなにを考えても自由だし、よかれとおもって事実を公表しないこともあります。監視がバレれば別アカウントを作って逃げるか心を閉ざすかどちらかではないかしら。お嬢様が具体的な違法行為や他人の身体を傷つける計画でも発信しないかぎり、スルーをおすすめします。

＜お悩み大募集＞
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熊田プウ助（マンガ家）

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』（実業之日本社）、『世界一周ホモのたび 狂』（ぶんか社）など著書多数。

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