サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ元女囚が振り返る「2021年薬物&刑務所の大事件」 コラム 知られざる女子刑務所ライフ133 元女囚が振り返る「2021年薬物&刑務所の大事件」――ムショに行きたい人は「壮絶いじめ」覚悟で! 2021/12/26 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ 「懲役刑」が「拘禁刑」に? 刑務所も相変わらず看守にどつかれたり、看守をどついたりの事件が多かったですね。こうゆうのは男子刑務所で、女子刑務所のいじめは暴力やなく、もっと陰湿なんですが、めくれて(発覚して)ないだけで、ホンマはもっとあるんでしょうね。 「へえ」と思ったのは、元モー娘。のゴマキこと後藤真希さんの弟くんのインタビューです。服役していた川越少年刑務所で凄惨ないじめを受けたそうですが、 普通はムショでは有名人は「芸能人」と呼ばれて独居なんですよ。なんでいじめられたんかなと思ったら、自分から「1人でいるのがダメな人間なので『独居だと精神的にキツいので、雑居に移してください』と刑務官にお願いして許可して」もらったそうです。独居のほうがラクやのに……。案の定、真冬に水を2リットルくらい飲まされるとかのイジメを受けたそうです。 ほかにも「トイレ用のブラシで歯を磨けとか、施設内の除草作業で見つけたカブトムシの幼虫を食べろとか、部屋長の精液を掛けたご飯を食べろとか」もあったそうですが、弟くんはそういういじめは受けてないようです。 このニュースはもっと大々的に取り上げてほしかったですね。「刑務所に入りたい」といって事件を起こす人には、ぜひ知ってほしいです。ムショに行きたいからと誰かを犠牲にするなんて、「ダメ。ゼッタイ。」です。 そして、もうひとつのニュースは、「懲役」の制度が変わるかも、の件です。 知りませんでしたが、ムショで「(刑罰としての)刑務作業」だけでなく、社会復帰や再犯防止のプログラムも受けられるように、法律の改正が進んでいるそうです。 刑務作業のある「懲役刑」と、刑務作業のない「禁錮刑」を一緒にして、認知症が進んでいるお年寄りとか体力が有り余っている若い人とか、それぞれに合った刑務作業や再犯防止の教育などの時間を割り振るようです。たしかに刑務作業しかしていないと、出所後が大変です。 しょうもない刑務官も多かったですが(笑)、「新しい被害者を出さないためにも懲役に寄り添って、社会復帰を支援したい」ちゅう刑務官もちゃんといてますから、社会復帰はがんばってほしいです。 今年もいろんな事件がありましたが、ムショも少しずついい方向へ行っていると思いたいですね。 来年もよろしくお願い申し上げます。よいお年をお迎えください。 前のページ12 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2021/12/26 16:00 楽天 Yahoo セブンネット 女子刑務所ライフ! 来年も期待しています! 関連記事 刑務作業品のオンライン即売会が年明けまで開催! 元女囚がオススメする「刑務所良品」ムショでは、がんが放置されて死ぬのも「日常」――元女囚が考える刑務所の医療ラーメン、焼き肉、ロールケーキ!? 元女囚が妄想する、ムショに入る前の「最後の晩餐」「覚醒剤できれいになる」は嘘! 元女囚が「太って肌が荒れる」と主張するワケ86歳が78歳に強盗! 元女囚が考える被害者も加害者も「みんなお年寄り」の時代 次の記事 嫁はフィリピン人、介護も笑い飛ばす >