コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第582回】

渡部建、不倫騒動から1年半たっても復帰できない理由――ほかの“芸能人不倫男”たちとの違いとは?

2021/12/14 21:00
神林広恵(ライター)

 その理由はひとつだろう。それは渡部の行為が飛び抜けてゲスな不倫だったからだけではない。渡部の行為が、たんなる不倫ではなく、女性に対する性的搾取、そしてハラスメントだったからにほかならない。公衆トイレ(六本木ヒルズの多目的トイレ)に呼び出し、女性を人間としてでなく、“性のはけ口”“奴隷”として扱った。つまり女性に対する差別という大きな問題が内包されていた。

 もちろん当時、渡部不倫を扱ったメディア、特にワイドショーはそうした視点での報道はほとんどなかったが、しかし、そのことは潜在的に意識していたのだろう。簡単に渡部を復帰させれば、自分たちにも火の粉が降ってくる可能性がある。そのくらいの認識はあったのだろう。それは『ガキ使』騒動でも証明された。しかも渡部はこれまでインタビューでも会見でも相手女性に対して謝罪していない――。

 不倫発覚から1年半、そんな渡部の近況を報じた「週女」だが、「渡部は少しずつ、家族との幸せな日常を取り戻しつつあるようだ」なんて陳腐な結論で記事を終わらせるのではなく、これを機に改めて、この渡部不倫を女性差別問題としてきちんと議論するべきだろう。

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