サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ被害者も加害者も「みんなお年寄り」の時代 コラム 知られざる女子刑務所ライフ128 86歳が78歳に強盗! 元女囚が考える被害者も加害者も「みんなお年寄り」の時代 2021/10/17 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ 刑期満了までムショにいたいお年寄りも多い 思えば「仮釈放をもらえる時期」もメジャーやないですよね。仮釈放の時期は、法律(刑法と更生保護法)で「刑期の3分の1を経過した段階で、地方の更生保護委員会が審理する」としていますが、実は決めるのは検察官なんですよ。更生保護委員会が「検察官に意見を求めることができる」としてます。 裁判は終わって、判決確定してるのに、なんで検察に求めるんでしょうね。弁護士さんの団体の日弁連も「仮釈放に検察の意見を求めるな」ちゅう意見書を出してます。 思えば瑠美にも「カリシャク(仮釈放)なし案件」はありました。つらかったですよ。みんな一日でも早くシャバに復帰したいから、ムショでつらいことがあっても、ひたすら辛抱するのに、エリート検察官の「アカンやっちゃな」の一言で長くなるんです。 でも、最近はちょっと事情も違っていて、刑期満了までムショにいてたいお年寄りも多いそうです。出所しても行く場所やお金がないから、またすぐに事件を起こして逆戻りです。 ちなみに瑠美的には、「出所してきたばかりの78歳のおじいさん」を「86歳と66歳の知り合い」がボコって現金10万円を奪った事件がやばかったです。「蹴って転倒させ、左腕に擦り傷を負わせ」て、お金を取ったそうです。犯人は強盗致傷の容疑でパクられ(逮捕され)ましたが、否認しているそうですよ。 3人の年齢を合計したら、いやしなくても高齢すぎますよね。何がすごいって、これからは、こうゆう事件が増えることです。被害者も加害者も、みんなお年寄り……。SF映画みたいですよね。 前のページ12 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2021/10/17 16:00 楽天 Yahoo セブンネット 女子刑務所ライフ! どこもかしこも高齢化 関連記事 大麻の摘発件数が過去最高に! 12年服役した元女囚が「誰かに勧められても断って」と言う理由槇原敬之、“執行猶予中の復帰”は早すぎ!? 元女囚が「働くのはアリ」と断言するワケムショ帰りを受け入れる人は少ない――元女囚が考える「元受刑者」と向き合う難しさ刑務官が受刑者に「ゴジラのものまね」強要! 元女囚が考える「刑務所のイジメ」問題ムショは、「罪を反省しに行く場」ではない! 元女囚が考える「長期刑」の長期化 次の記事 話題の洗剤「一刀両断」検証レビュー >