サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『未満都市』KinKi Kidsの魅力 芸能 ドラマ俳優クロニクル KinKi Kidsドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』、ユーモアあふれる2人の軽妙なやりとりと年相応の男の子らしさの魅力 2021/09/27 21:00 成馬零一 KinKi Kidsドラマレビュー成馬零一 『人間・失格』に対する返答のようなセリフ 劇中では、街に閉じ込められた子どもたちが危機意識から徒党を組み、グループ間で抗争を繰り広げるようになる。その際に、弱くて幼い子どもが真っ先に犠牲になっていくのだが、その状況を本作は、いじめの構造に重ねて描き、「ほかに道はないんか? こっから出られへん限り道はないんかよ!」とタケルに叫ばせ、いがみ合う子どもたちに共闘する道を模索させる。これは「いじめ」をテーマにした『人間・失格』に対する返答に感じた。 弱者が犠牲となる「いじめの構図からの脱却」というメッセージは、最終回にも強く現れていた。冬になり、気温が低下したことでウイルスはあっけなく全滅する。子どもたちは解放され家に帰されるが、事件を隠ぺいしようとする政府に反発し、ヤマトたちは幕原に残る。政府に抵抗するために廃墟に立てこもる姿は、東大安田講堂事件やあさま山荘事件といった学生運動を彷彿とさせる。 これは学生運動末期に参加していたという、堤ならではのこだわりだろう。何より重要なのは「正義のためにカッコよく死のうぜ」という仲間の意見に反論し、幕原であったことを忘れず大人になるため、降伏する道をヤマトたちが選ぶ場面だ。おそらく堤は、どんなに無残な姿でも「生きのびる道」を子どもたちに選ばせたかったのだと思う。 次のページ 20年後に放送された『ぼくらの勇気 未満都市 2017』 前のページ1234次のページ 楽天 Yahoo セブンネット ぼくらの勇気 未満都市2017【Blu-ray】 関連記事 伝説のドラマ『NIGHT HEAD』に詰まった90年代前半の“空気感”――豊川悦司の「怒り」と武田真治の「弱さ」が、暗い輝きとなったKinKi Kids『未満都市』が盗作炎上! 日テレは否定も「金は出す」「泣き出す」醜態!?「大人になった少年たち」はどう生きるべきか? 『未満都市』俳優としてのKinKi Kids『ぼくらの勇気 未満都市』KinKi、嵐集結も「10.0%は期待はずれ」! 日テレもガッカリ!?小原裕貴『ぼくらの勇気 未満都市』出演! 異例の「元Jr.起用」にテレビ界が冷やかなワケ