コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

不倫を経て“キャラ変更”したベッキーは、今の時代に合っている? 「毒舌」を吐く彼女に思う、「いい子ぶりっ子」のやめ時

2021/09/23 21:00
仁科友里(ライター)

 そんなベッキーが、バラエティクィーンとして活躍していた20代を、今月8日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京)で振り返っていた。ベッキーは当時、「疲れた」とか「忙しい」という言葉は自分の中で禁句にしていたそうだが、実際は疲労困憊だったようで、ストレスのため「20代、ほぼ毎日泣いていた」と告白。移動中の車内で泣いたり、楽屋で1人にしてもらって泣いたりと、こっそり涙を流していたというが、「29歳の時に人前でも泣くようになっちゃって」「舞台挨拶のとき、舞台に上がった瞬間に泣きそうになっちゃった」などと、メンタルの状態は悪化したそう。本人も「ヤバい」自覚はあったようで、週に一度休みをもらい始めてから、状況が改善したと話していた。

 川谷と交際していた頃、ベッキーは31歳。同番組で彼女は「30歳手前でオンナは揺れるの」「プライベートの時間を増やしたくなったり、人によっては恋したくなったり」とも語っていた。「売れたい」という望みはかなえたものの、20代の頃から人知れずストレスを抱え込んでいたベッキーにとって、川谷との恋愛は現実逃避かつ、精神のバランスを取るためのものだったのかもしれない。

 一方でベッキーはここ数年、不倫を差し引いても、バラエティタレントとして生き残ることの難しさを感じていたようだ。『あちこちオードリー』では、「去年、バラエティもうやめようかなって、なんか思っちゃった」と明かし、その理由として「時代が変わってきている」ことを挙げた。これまでと“言っていいこと・悪いこと”の基準が違っている、ノリも変わってきているように感じており、「思っていた感じと違う空気になったり」「良い感じでバトルになるかなってところも、ならなかったり」「ツッコんだつもりだったけど、ただのうるさいおばさんに映っていた」ことから、自分は「時代に合ってないんだ」と思ってしまったという。

 そんな中、同時期にバラエティで活躍していたタレント・若槻千夏から「ベッキーさんには前のところに戻ってほしいし、戻らなくちゃいけない」と言われたことで、やる気を取り戻したとか。ベッキーのように売れている芸能人は、活動期間が長くなるからこそ、時代の変化のようなものに敏感になるのだと思うが、私は、不倫を経た今の彼女のほうが「時代に合っている」のではないかと思う。

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