芸能
『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』高卒の元キャバ嬢、昼職を目指す「夜の街に別れを告げて~人生を変えたい彼女たちは・・・~」

2021/08/30 19:40
石徹白未亜(ライター)

 ヤンキーインターンで研修として課せられていたのは電話営業という仕事だ。さらにその内容は、美容系サロンに対し、サロンを紹介するウェブサービスを提供する、といったもので、コロナ禍で厳しい業界のはずで、コロナ以前に電話営業をするよりさらに厳しかったのではないかと思われる。

 そんな状況の中で、ほぼ半年間も1日200本もの営業電話をかけていたのは、「ガッツがある」ことの根拠に十分だと思う。瑠花は自分に自信がないとひたすら言っていたが、大抵の人は持ち得ていない「コツコツやる」「諦めない」ができていて、また、それは客の特徴を事細かにメモするホステス時代からすでにできているように見えた。

 私もどんな人が「できる人」なのだろう、と社会に出てからさまざまな人を見てきた。弁が立つ人、人とうまくやれる人、頭がいい人、ハートが強い人など、いろいろあると思うし、それらも大切な要素だと思うが、その根っこに「コツコツできる」がないと結局、長続きはしないのではないかと思っている。

 「コツコツ」は全てのベースだ。瑠花はそれができていて、講師や母親に評価もされているのに、なぜいつまでも自信がないと悩んでいるのか、とやきもきするほどだった。

 しかし「コツコツ」の能力はぱっと見目立たない。特に華やかなものに目を引かれがちな若い世代だとさらにそうだと思う。ただ番組終盤の面接では、自分がホステス時代に客の特徴をメモしていたことなどをアピールするなど、自分のコツコツという強みを自覚し、一皮むけたように見えた。

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